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武装撮影会目次

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スチームパンク武装撮影会とは?

スチームパンク賞金稼ぎ集団ラスティパペットが主催する、撮影会です。
際限のない武装を持ち込み、戦闘あり!死亡シーンあり!の唯一無二の蒸気撮影会を目指しております。
年に1回程度のイベントですが、シナリオや設定をしっかり作り込み、実施しております。
どうぞよろしくお願いいたします。


第1回 スチームパンク武装撮影会(2015年開催)
登場人物動画 登場人物紹介 プロローグ
1回戦 第1試合 第2試合 第3試合 第4試合 第5試合 第6試合 第7試合
2回戦 第1話 第2話
準決勝 第1話 第2話 第3話
決勝戦 最終話


第2回 スチームパンク武装撮影会
(2016年開催)

登場人物紹介&プロローグ


第1話『無題』第2話『息差』第3話『正義』
第4話『余興』第5話『軍人』第6話『開始』
第7話『理合』第8話『名前』第9話『仲間』
第10話『虐遇』第11話『罪咎』第12話『天翔』
第13話『毒香』第14話『傀儡-腕-』第15話『傀儡-梟-』
第16話『傀儡-操-』第17話『傀儡-弾-』第18話『混迷』
第19話『終結』第20話『傀儡-錆-
       





第3回 スチームパンク武装撮影会(2018年開催) 更新中

プロローグ
 第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話









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第14話

本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります



モルゲンロートの手記

大英帝国秘蔵のダイヤモンド、コヒ・ヌールの捜索。

貴族議員、ファラメルディアス・フォン・ザクローゼンが送った先遣隊は何者かの妨害によって殺されていた。

先遣隊が消息を絶って2ヶ月。ザクローゼン率いる捜索本隊は、無人島でふたたびその刺客に襲われた。


それでも。

私たちにはある種の安心感があった。
ザクローゼンが言うには、先遣隊には本格的な医療行為を行える者も、自生する植物から料理を作れる者も同行していなかったそうだ。

幻の宝玉を捜索する、という本来の目的を秘匿して行われたその「地質調査」に、大掛かりな支援要員をつける必要がなかったからだと。

でも、私たちにはポワゾン医師とコックのラバナーヌさんがいる。

そして、巨大な機関銃を操る怪僧をものともせず打ち倒し、無傷で帰ってきたヘンゼルさんが付いているのだから。


通信機が不調なのだけれど、幸いにも船から見た島の全景を考えて、離ればなれで遭難するほどの大きさはない。

何かあっても低い方に向かって歩けば、どこかの海岸にたどり着く。


はぐれた侘助さんもきっと、すぐに見つかるだろう。
全員揃ったら、早々に帰還を提案しよう。

それまでは、ヘンゼルさんが私たちを守ってくれる……。





モルゲンロートの根拠のない楽観は、次の日の朝、覆された。












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「うわああああああ!!!!」











01_発見 ザクローゼンが腰を抜かし、噴出した恐怖が喉を震わせ慟哭となって島中に響き渡る。

朝食の時間になっても戻らないヘンゼルのパトロールを心配した一行が見つけたものは、あまりにも無惨な光景だった。

落ち葉は黒く濡れ、敷かれている雪が丸く、紅く染まっていた。
円の中心に横たわっているのはヘンゼル。








02_検死 ポワゾンが駆け寄ってヘンゼルの腕を取るが、そのおびただしい出血の量が、そこにいる全員に彼の死を証明していた。


「……。はい、死んでいます」

遺体全身をまさぐる。背中の大きな傷を除けば、それはあまりにも綺麗な遺体だった。



「背部の動脈に向けて刺されたあと、捻るなどして傷口を押し広げられています。切創部付近に血ではない液体の乾いた後が見受けられる……恐らく毒と失血による死亡です」

冷静な検視が続けられる。ポワゾンは誰とも目を合わさず、死因を断定した。



03_死亡確認 「他に怪我を負っている箇所はどこにもありません。服も乱れておらず、争った形跡もない。背後を取られて一瞬で殺されたと思われます」

淡々と事実を突きつけられ、そこにいる全員が自らの立たされた状況に気付く。

用心棒の死。対抗手段の喪失。未だ見ぬ刺客は今この瞬間もどこかで命を狙っている。
捜索隊は、一夜にして無力になった。
そこに居る全員が顔を見合わせていることに気づいたザクローゼンは、口をぱくぱくさせて必死に声を絞り出した。

「……だめだ! だめだぞ! 俺たちは帰らない! “たかがひとり死んだ”だけじゃないか! コヒヌールだぞ!? 大英帝国、女王の権威の総てだ! 俺たちはまだあと6人もいる! 俺も、お前たちも帰さない!」

明らかな虚勢だった。誰よりもザクローゼン自身が怯えている。
目的という大きな杖にすがりつくかのように膝を震わせながら立ち上がると、セイヤンに掴みかかった。




04_恫喝 「おいコーディネーター! 目的地まであとどのくらいある!」

「侘助様が目星をおつけになっていた場所までは、まっすぐ進めばあと1日ほどで」

セイヤンがあたふたと取り出した地図を奪い取って先頭を切ろうとするザクローゼン。

「じゃあ走るぞ!」

怖気付く全員を、何より自分自身を奮い立たせるように行軍を再開しようとするザクローゼン。

「お待ちください」
それを制したのはミーナだった。この事態にあっても、彼女の言葉は変わらず冷静な早口だった。

「その結論は早急すぎます。セイヤン氏に伺いますがこのまま直線距離を走った場合に経路に危害を加える意志のある者が隠れられる場所はどれくらいあるのでしょうか」

セイヤンはザクローゼンから地図を優しく取り返すと、一呼吸を置いて答えた。

「……正直に申し上げますと、無数にございます。これから皆様が向かわれる場所はこの島の遺跡の最奥。身を潜められる建造物が立ち並ぶ只中です」

セイヤンの言葉に嘘はない。島にはかつて栄えていたであろう文明の亡骸が遺跡となって点在しており、主だった建造物は地図にも示されていた。

「目的地である島の中心部と私たちを結ぶ線上にはいくつもの……読めませんが、文字列が重なっています。急いで敵の待ち伏せを受けるような場所には立ち入らないほうが良いかと。……それにしても、この文字……」

ミーナご自慢の早口が濁る。
眉根を寄せて覗きこんだ地図には、解読不可能な文字が記されていた。

それらは、この島の領海内の国の言語でも、ここにたどり着くために今まで経由してきたどの地域の言語でも当てはまらない文字体系のように見えた。

「じゃあどうすればいいんだ!」

おかまいなしにザクローゼンが怒鳴る。
苛立ちをただ乗せた言葉には、貴族議員の威厳も指揮者としての判断力も無かった。


05_まあまあ 「とにかく開けた場所を選んで進みましょう。迂回にはなりますが、皆様のご安全をお守りする立場としては、それしかお勧めはできません!でなければ、私としては撤退をご判断いただきたい」

ザクローゼンは天を仰ぎ、唸った。









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原案・文章(マイケル)
記事・管理(バレット)


カメラマン(以下の皆様の写真を掲載させて頂いております)
せーゆ
へい
シュウ
しめ鯖

第13話

本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります



ザクローゼン率いるコヒヌール捜索隊を襲った鏘園と名乗る虚無僧。

隊の用心棒ヘンゼルは仲間を退却させつつ、圧倒的な力でこれを撃退した。


足跡を辿って深い藪を付き切った先には、走り疲れた仲間たちがへたり込んでいた。


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「みんな無事か!」
「無事だ。ここに居るのはな。だが・・・」

ザクローゼンは顔を上げて答える。声は冷静だが、それは安堵の表情ではなかった。

ヘンゼルが指折り数える。依頼人ザクローゼン、通信者モルゲンロート、学者ミーナ、医師ポワゾン、吟遊詩人翡翠、コーディネーターセイヤン、そして自分……1人足りない。


混乱のさなか、貴石屋 侘助の行方が分からなくなってしまっていたのだった。

「私がしんがりを務めていたのですが……途中の藪を抜けた時には、もう侘助様は何処かへと……申し訳ございません!」

セイヤンが重圧に堪らず声を上げる。


「しかし、あの虚無僧はあなたが倒したんでしょう? ならその内合流できるはずでは」

ポワゾンの楽観的予測にも、ヘンゼルは喜ばない。

「いや……この島にはまだ俺たちを狙っている奴がいる。恐らくは、あと5人」



先の戦いで得た情報が確かならば、消息を絶った先遣隊6名は「それぞれが持ち場にて殺された」。

鏘園を引いても、まだこの島には捜索隊を狙う者があと5人。
どこにいたとしても、単独行動で安全なはずはない。

押し黙る一同。

「とにかくご飯にしましょう!」

張り詰めた空気を断ち切ったのは、ラバナーヌの言葉だった。





01_団欒 ひと時の団欒が、捜索隊の心を和らげる。
日が落ちて一際冷え切った体を、焚き火と温かいスープがゆっくりとほぐしていく。

「ザクローゼンさんよ。3ヶ月前だっけか?先遣隊が消息不明になったのは」

最後の一口を飲み干した翡翠が、湯気を吐きながら尋ねた。

「それって先遣隊がお宝を持ち逃げしたってことは考えられないか」

「それはない」

ザクローゼンは切り捨てた。

「先遣隊には宝玉のことは伏せて調査を依頼した。例え宝を見つけたとしてもあいつらの素性は知り尽くしている。今も監視中だ」

それは私も同感です、とミーナが重ねる。

「貴金属を適切な価格で売買するルートは限られています。ましてや大英帝国が秘蔵する宝玉を売るなんて大それたことを一個人が隠し通せるはずがありません。皆さんも出し抜けるなんて思わない方が身のためです」


「そうだ。そしてこの島にたどり着く航路はひとつしかない。港の人間も全て買収済みだ。妙な動きをすればお前らの命も保証できないぞ」

おおこわいこわい、と翡翠はリュートをつま弾いた。


02_見回り 先に寝ていたヘンゼルは、この夜何度目かの見回りに出た。

寝静まるザクローゼン達から離れすぎないよう注意しながら、注意深く監視する。



空は少しづつ白んで来ていた。地面を観察するも、足跡らしきものは見えない。


焚き火、談笑、リュートの音色。敵にこの場所は知られていることだろう。しかし、とうとう襲撃されることはなかった。

「もうすぐ一番冷え込む時間帯だ。小便したら薪を足してやらなきゃな」




03_背後 ヘンゼルが茂みに向かって用を足していると、背後で足音がした。

「お、連れションか?」
返事はなかった。




ズム。














04_ナイフ 熱く燃えるような痛みがヘンゼルを貫いた。

それがナイフだとすぐに分かったが、ヘンゼルにはもうどうすることもできなかった。




「いやあ侘助様は素晴らしい方をお雇いなされました」









05_痛み 「おま……え……」



ワンドが手から滑り落ちる。



06_ロッド 「ヘンゼル様がこれほどまでにお強いとは私も計算外でした。きっと他の刺客にも勝ち目はないでしょう」

肩を掴み、柄を捻る。


「ですから、あなたにはここで退場いただきます。お疲れ様でした」


凶器をゆっくりと引き抜くと、糸の切れた人形のようにくずおれるヘンゼル。全身がガタガタと二度ほど震え、それきり動かなくなった。






07_勝利 セイヤンはナイフに塗られた毒を注意深く拭き取ると、それを手際よく袖にしまい、静かにその場を後にした。

 

 






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第12話

本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります




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ガットリングが空転しながら、こちらに鎌首をもたげている。
赤熱する砲塔と刻まれた金色の経文が高速に融け混ざり、主人の攻撃命令を待つかのように唸りを上げた。


数珠型スターターを指に提げ、主人である虚無僧・鏘園は低い声で告げる。



「みな等しく黄泉へと降った。獣人も、墓荒らしも、女も、狂人も、枝も、真理を嘯く天狗も」



雪柳、ヴァイス、ナタリア、ジェーン、キギ、アダム。

宝玉に目が眩んだ者は皆、島を守る刺客たちによって殺された。
大英帝国の噂話にすがって安易に未来を渇望し、ひとりひとりが足元を掬われた。


「へえそうかい。でもアンタが経をあげたのは一度きりなんだろ」

01_ズサー 相対する捜索隊の用心棒、ヘンゼルはまだ動かない。



「此度で二つ目となるであろう」

「連勝記録なんか作らせねえよ。あんたは1勝1敗で終わりだ」

印を組んでいた虚無僧の右手がトリッガーへと添えられる。
呼応するように、ヘンゼルの唇がわずかに動いて何かを唱えた。
「■■■■■■……!」



鏘園の読経とともに、ガットリングガンが火を噴いた。
「如是我聞、汝等衆生、当信是称讃、不可思議功徳、一切諸仏、所護念経」

6つの銃口からとめどなく放たれる強烈な発砲音が重なり、巨大な金属樽が転がるような音を立てる。


その弾幕をヘンゼルは縄跳びを楽しむかのように飛び越え、あるいは掻い潜った。





02_避け 「そんな重たい丸太で俺に当たると思わないほうがいいぜ」

無論、それは生身の人間に出来る芸当ではない。
ひとたび転経奇環砲が斉射を開始すれば、有効射程1100メートル内は低質のチーズの如く穴だらけだ。
地を這う生物が鏘園の“読経”から逃れるのは容易いことではない。


ファラメルディアス達が生き延びたのは、ヘンゼルの「反転」の号令で即座に藪の深い谷側に逃げ込めたからに他ならない。



奇環砲に真っ向から対するヘンゼルが自身に掛けていたのは加速の魔術。

心筋を加速させ、血流を加速させ、全身の筋収縮を加速させる。

その運動を制御する知覚をも加速させることで、奇環砲が照準を合わせるよりも速く動くことを可能にしていた。



鏘園は念仏を唱えながら全身をねじり、奇環砲を振り回し続けた。

僧に似合わぬ巨躯とその両腕で反動と重さに耐えながらヘンゼルを追う。
それでも砲弾は地面を耕し、木立や蔦を薙ぎ払うだけだった。



そしてヘンゼルを追うその動きが誘導されていることに鏘園は気づいていない。

右へ左へと次第に振り幅が大きくなった機関砲はとうとう持ち主の重心から外れ、鏘園は咄嗟に脚を踏み出さざるを得なかった。

姿勢の維持に気が割かれ、わずかに読経が止まったその瞬間、視界からヘンゼルが消えた。


一瞬の隙を突いて大きく跳躍していたヘンゼルが着地したのは鏘園の背後だった。

03_背後に立つ 相手に振り返るいとまも与えず、天蓋の中にあるであろう後頭部目掛けてロッドが叩き込まれる。

04_背後から殴る 籠を突き抜け、肉を突き抜け、頚椎に至るその衝撃で鏘園の意識は寸断。バランスを立て直すこともできず、脚の折れたワイングラスめいて前のめりに倒れこむ。


しかし、ヘンゼルはノックダウンを許さない。

鏘園が転倒するよりも疾く正面に周りこみ、腰に下げていたブランダバスを抜いた。



「ひとりやっつけるのに何発の弾が要るんだ?」










05_発砲1 「俺なら1発だ」




06_発砲2 ブランダバスから放たれた散弾はしかし、一点を目掛けて収束しホオズキのような軌跡を描いて鏘園の心臓を射抜いた。



絶命により弛緩した筋肉が膝を着かせるよりもなお疾くヘンゼルは加速し、駄目押しの一撃を見舞う。

07_フルスイング 頚椎を砕かれ、心臓を貫かれ、内臓を外側から圧し潰された後に



ようやく鏘園は地面に向き合うことを許された。

08_将園死亡 ジャングルに再び静寂が訪れた。


遺されたヘンゼルは、自身に掛けた大量の加速を解き、ふうと深呼吸する。

「あちゃあ、先にいろいろ訊いておくべきだったなあ」


名残惜しそうに虚無僧の遺骸を揺すった。無論、返事はない。


09_つんつん


大人数を制圧する力こそないが、加速を駆使した単純な暴力は1対1の戦闘において相手を簡単に圧倒することができる。

相手の死角に入ることも、急所に致命的な打撃を与えることも、発射された弾丸を小突いて軌道を変えさせることすらヘンゼルには容易いことだった。

その速さ故に、自分でも手加減がわからない。

ヘンゼルにできることは加速のオンオフを切り替えることのみであって、「尋問できる程度に痛めつける」などという細やかな制御は未習得のままであった。



「しかしまあ……無人島にこれだけの敵がいるってことは、ここにあの議員サマの探してる秘宝があるってのは間違いないな」

ヘンゼルは思考を巡らせる。

10_推理 先遣隊がここに着いたのは2ヶ月前だと聞いている。

ヘンゼルが馴染みの酒場で自主的な用心棒(と称したタカり)として働いていた時に輝石屋である侘助から声をかけられたのが1週間前。

そこからはあっという間で、本隊が揃ったのが最後の港を出る2日前。

計画が遅滞しているようにも、外部に情報が漏れるようなミスを犯しているようにも感じなかった。


なぜ俺たちは待ち構えられて襲われたのか。情報はどこから漏れたのか?
誰かに監視されている?

まだ確定に至る情報はない。ただ今回、ここに倒れている虚無僧の仕掛けた奇襲がまぐれでないとすれば、俺たちはまた襲われるだろう。

先遣隊6人が「それぞれ持ち場にて殺された」ならば、この深い森に潜む刺客はあと5人。
油断してはいられない。

――俺は生きて帰り、金を手にして必ず自立する。家柄でなく、自分自身の力を以って一から成り上がるんだ。



「まいっか。合流してから考えよう」

口をついた呑気な言葉と裏腹に周りを警戒しつつ、ヘンゼルはロッドを担ぎ
退却したザクローゼンたちを追った。



11_先へ進む









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第11話

本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります





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01_背後 狂乱のオカルティスト、アダムはマハトマに導かれるまま森を彷徨っていた。

薬草が詰まった嘴の内側をしとどに濡らしながらも、決してマスクを顔から外すことはない。
アダムはこの島を取り巻く外気そのものを害のある毒と判断しているからだ。

この島の気候は異常だ。数時間前まで凍てつくような雪原にいたかと思えば、急に気温が上がりはじめて、いまや全身がべとべとに汗をかくほどの暑さに変わっている。


「早々に宝玉を見つけ退散しなければ、暗黒の狂気に呑み込まれてしまうぞ……」

しかし、現実はアダムに厳しかった。

狂乱には狂乱が引かれ合う。
往く手に立ちふさがったのは虚無僧・鏘園だった。

02_遭遇 「我は鏘園。汝の業を断つ暗明の虚無僧なり」

半身でガットリングを構えたまま抑揚なく名乗る。


「業(カルマ)……? ハッ、そんな低俗な志でこの私がここまで来たと思うか! 野良坊主ごときが止められると思うなら止めてみよ!」


「無論」

アダムの挑発に、素顔を隠した天蓋の中から低い声で応じる。
鏘園は勢いよく数珠型リコイルスタータを引いた。





03_腰溜め撃ち 「真理の光!!」

ガットリングが火を噴くより幾ばくか速くアダムが杖を突き立てた。
瞬間、杖の先が眩く発光し鏘園の視界は真っ白に遮られた。

網膜に焼き付いた白いモヤの中に現れるいくつものペストマスク。


04_幻惑 鏘園が銃口を幻覚に合わせようと逡巡した一瞬の隙をついて、アダムは素早く森の深い方へ逃げ込んだ。










05_ぜえはあ 数分か、それ以上か。
足がもつれ、木に倒れこむように縋って、逃走は終了した。

「こ……ここまで、来れば……」


思わぬ全力疾走にじらじらと視界が揺らぐ。
肩で息をしながらアダムは状況を整理していた。

堂々と啖呵を切ったは良いが、正面衝突して勝てる相手ではなかった。

ヴァイスやナタリアとは意識的にコミュニケーションを取らなかったが、今考えれば集団で行動しても良かった。
何かあれば身代わりにも出来ただろう。


しかし、あれだけの火力を持った兵が守護しているとあれば宝玉も近いはずだ。
大英帝国のコヒヌール。この島にあるのは間違いない。

呼吸を整えて、もう一走り行けるだろうか。
上陸地点への帰還ルートも考えれば、まだまだ油断はできない。




「茶番は終わりか?」

06_背後2




「う、うわああ!」




07_背後2気づき 虚無僧が、さもいままでそこに居たかのように平然と、アダムの背後に立っていた。


「わずかな蒸気圧を検知。異教の徒よ、そんなペテンではこの鏘園は騙せんよ」

「この、狂乱のアダムに銃を向けるとは! 真理に焼かれて消し炭になる前に立ち去るがいい!」

「狂乱? 真理? 汝よ、自分で言っていて恥ずかしくないのか。稚戯を振り回しても、まことの真理にはたどり着けぬ」


こけおどしは一切通じない。 右手に数珠を絡めたまま、鏘園は一歩、また一歩とにじり寄る。
アダムは気圧されながら距離を取ろうと後退したが、地面を這うツタに足を取られ転倒してしまった。


08_倒れ 「し、真理の光!」

杖を振りかざし叫ぶが、しかし何も起こらない。

「おおかた、使い捨てのフラッシュバルブであろう?もう発光は出来まいて。」




鏘園が再び数珠を引く。遮るものもなく、すべての弾がアダムの全身を砕いた。




「偽りの狂人よ。汝の信じる死後の世界では、嘘吐きはどう裁かれるのであろうな」


09_南無三 「まあ、『狂人のふりをすればすなわち狂人』か」

鏘園は亡骸に相対し、片手で念仏を唱えた。









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