武装撮影会目次

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スチームパンク武装撮影会とは?

スチームパンク賞金稼ぎ集団ラスティパペットが主催する、撮影会です。
際限のない武装を持ち込み、戦闘あり!死亡シーンあり!の唯一無二の蒸気撮影会を目指しております。
年に1回程度のイベントですが、シナリオや設定をしっかり作り込み、実施しております。
どうぞよろしくお願いいたします。


第1回 スチームパンク武装撮影会(2015年開催)
登場人物動画 登場人物紹介 プロローグ
1回戦 第1試合 第2試合 第3試合 第4試合 第5試合 第6試合 第7試合
2回戦 第1話 第2話
準決勝 第1話 第2話 第3話
決勝戦 最終話


第2回 スチームパンク武装撮影会
(2016年開催)

登場人物紹介&プロローグ


第1話『無題』第2話『息差』第3話『正義』
第4話『余興』第5話『軍人』第6話『開始』
第7話『理合』第8話『名前』第9話『仲間』
第10話『虐遇』第11話『罪咎』第12話『天翔』
第13話『毒香』第14話『傀儡-腕-』第15話『傀儡-梟-』
第16話『傀儡-操-』第17話『傀儡-弾-』第18話『混迷』
第19話『終結』第20話『傀儡-錆-
       





第3回 スチームパンク武装撮影会(2018年開催) 更新中

プロローグ
 第1話 第2話









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第2話


本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります














~モルゲンロートの手記~


林を抜けると、カーキのブッシュジャケットが似合う中年男性が立っていた。

「いやはやファラメルディアス様、お待ち申し上げておりました」

01セイヤン出迎え 「セイヤンと申します。遠路遥々みなさまお疲れ様でした」



セイヤンさんは、私たち全員に膝まづいて握手をしてくれた。
柔らかな笑顔とがっしりとした掌の硬い握手が、私たちを労おうという気持ちで溢れていた。


02握手 「この小路の先に野営に適した場所を見つけています。ご案内いたしましょう」





03道案内 「重い背嚢を持っていては靴が沈み込んでばかりだ。少し手伝え」

ファラメルディアスは無遠慮に自分の荷物をセイヤンさんに放り投げた。




04放り投げ 「おっと、これも頼むわ。両手が塞がってちゃ皆を守れないだろ?」

追い討ちをかけるようにヘンゼルさんがセイヤンさんに荷物を預けた。調子のいいというか、人の気持ちの分からない人だ。

でも、そう思う私もセイヤンさんを手伝うことはできなかった。私自身が、それどころではなかったからだ。



電波が通じない。




この日のために改造した空中線を違法出力まで回しても、最後に乗り継いだ島の岬に置いてきた基地局すら中継できない。圏外の雑音識別信号すら送れない。

短波帯に切り替えても駄目。

最後に確認をしたのはいつだった?
列の最後尾でぶつぶつと唸っていると、不意に侘助さんが振り返った。



05便乗


このまま直らないのなら、打ち明けなければいけない。でも……。







06第二話予兆






隊列は再び林を進んでゆく。
岬から見えていた表層の雰囲気とは打って変わって、鬱蒼と生い茂る幹と葉は太陽を探して曲がりくねって行った。

ナイフとロッドで先頭を切り進むのはファラメルディアスとヘンゼル。
その後ろにラバナーヌとポワゾン。
荷物をいくつも抱えた現地コーディネータのセイヤン。
翡翠、ミーナ、侘助。
最後尾ではモルゲンロートがせわしなく装備をいじりながら歩いていた。



07隊列 「この島は、ですねぇ。かねてより、幻の島と、呼ばれていました」


セイヤンが両手で抱えた背嚢の左右から顔を覗かせながら1文節ずつこの島を紹介した。


「幻の島?ずいぶん夢のある名前だね」

話に乗ってきたのは吟遊詩人、翡翠。
08翡翠 「そうで、ございましょう?なぜ、幻の島かと、申しますと」

息を切らせながらのテンポの遅い解説にミーナが早口で答えた。

09ミーナ 「それはかつて住んでいた原住民が外部との接触を拒んでいたからです。言語が他のアンダム諸島に住む部族と大きく異なることから数千年間ほかの島と交流せずに暮らしていたと考えられています。彼らは科学技術を有さず接触を試みたアンダム諸島の政府職員が島民に攻撃されて以来政府は干渉しない意向になっています」

「なんとまあ!お詳しいのですね、ミーナ様。セイヤン、感服いたしました」

「そうでしょうそうでしょう」と、侘助は満足そうにほくそ笑んだ。
10侘助 「重たい荷物を持って歩行をしながらの説明は非効率ですので私が続けます。残されている人工物の老朽具合から原住民は20年から30年前に『絶滅』していることが分かります。何かしらの事故または特定の疫病が蔓延したと考えられます。外部の血統が入らない数百人規模の島では珍しいことではありません」

「へえ、じゃあもう原住民に教われたりする心配はないんだな」

「ええ。ですが気になるのは現在の島の状態です。ここに植生する常緑樹が低温に弱い種ばかりであることからこの寒さと雪が異常気象であることは明白です。また上陸時に海面に出ない種類の珊瑚礁が露出していたのを確認しました。つい最近大きな地震か地殻変動があったことが分かります。いずれにせよこの島の気候は非常に不安定です。そして特筆すべきは瘴」

「分かった分かった。ミーナちゃんもあんまり早口で歩くと舌噛むぜ。もうすぐキャンプにつくんだろ?そこでしっかり話を聞くさ」

翡翠がそう言ってようやくミーナは静かになった。


後ろの大演説に耳をやりながら、ファラメルディアスはパーティを腐した。

「まったく、すぐに火が付くボンボンに聞いてもないのに喋り出す本の虫。それぞれ保護者が必要だな」

言葉の悪意はヘンゼルに向かって放たれたものだったが、ヘンゼルは反応しない。
ヘンゼルが歩みを止め、隊列を制した。


11ヘンゼルの制止 「気をつけろ……この森で、誰かが人を殺してる」

「おいまさか原住民か!?」

「はずれだファラメルディアス。火薬の匂いがする」



林の影から、落ち着いた声がした。
「然様。我は蛮族に非ず」






12虚無僧







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原案・文章(マイケル)
記事・管理(バレット)


カメラマン(以下の皆様の写真を掲載させて頂いております)
せーゆ
へい
シュウ
しめ鯖

第1話



本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります





~モルゲンロートの手記~

これが最後のトランスファーだ、と船頭が告げたボートに乗って、私は安堵していた。

ランゴーンを出発して早3日。
ベンガル湾に浮かぶアンダムの島々を、ひたすら乗り換えていった船がその度オンボロになっていくのを目の当たりにした私たちも、ようやくこの不安な船旅に別れを告げることができる。

とはいえ、ここからが本番なのだから気は抜けない。
道中ずっと背負っていたDXペディション用の遠距離交信機にようやく火を点せるのだ。

と、船の舳先に座っていたあの男が立ち上がった。

「まずはじめに言っておく。いや、何度も言ったことか。私はお前たちを信用していない」

01_ファラメルディアスの写真
シルクハットとサングラスの間から覗いた目は、猜疑心に満ちていた。
ファラメルディアス・フォン・ザクローゼン。この旅の依頼人だ。
帝国議会の貴族院議員らしいが、私は政治のことはよく判らない。

「どこの誰かも分からないお前たちが、私が呼んだ捜索部隊よりも優秀だとはとても思えんのだ」
返す言葉もない。私は、目を合わせないようにレシーバーの調整をしていた。


「お言葉ですがザクローゼンさん、その信頼する捜索の先遣隊が消息を絶ってもう3ヶ月だ」

隣に立っていた銀髪の男が大仰な身振り手振りで釘を刺した。侘助さんだ。
ファラメルディアスはいっそう眉根を寄せた。

「ここは私の推挙するスペシャリスト達に任せるとお約束いただいたはず。そこは最後まで信じていただきたい」


02_侘助の写真
「そして、私も信じていますよ?皆さん方」

侘助さんは振り返った。『スペシャリスト』と呼ばれた私たちはみな、困ったように笑うしかなかった。

「こんな奴らに幻の宝玉の捜索が勤まるものかよ。だからこそ私本人が同行すると決めたんだ」

ファラメルディアスは組んでいた腕を、コートのポケットに入れた。
「それにしても寒いな……。11月とは言え、アンダムだぞここは」

風は強くなり、さっきまで半袖でも暑かった体がぐんぐん冷えてくる。

船頭が指をさして呻いた。まるで見てはいけないものを見るかのように。
「なんだ……ありゃ、雪……か……!?」


私は受信器の位置情報を確認した。北緯14度。インドで言えばカルナタカだ。進むべき方角は間違えたわけではない。
常夏のアンダム諸島、私たちの目指す島の稜線が、薄く積もった雪で白く輝いていた。















03_ロゴ


























04_靴の写真
じゃぶり、と靴のウィングチップが冷たい泥で埋まり、ファラメルディアスは心底不快そうに独りごちた。

「すばらしい第一歩だ」


























05_翡翠の写真
「それでは、道中の星見をお願いいたします。翡翠さん」






06_ラバナーヌの写真
「すばらしい料理を期待しています、ラバナーヌさん」






07_ポワゾンの写真
「道中の衛生管理についてはポワゾン医師」





08_ヘンゼルの写真
「用心棒のヘンゼルさんの腕っ節は私が保証します」






09_ミーナの写真
「地理についてはミーナ女史、可能であればこの雪の解明も」






10_モルゲンの写真
「そしてモルゲンロートさん、本島との通信手段はあなたが頼りです」







侘助が一人ひとり肩に手を置きモルゲンロートたちを紹介したが、ファラメルディアスは聞き飽きたと言う顔だった。
「ふん、バラエティに富んだ連中なのは分かった。……碌な訓練を積んでいない素人だということもな」





「ご明察で。じゃあその素人の俺たちにアンタは何を託したんだい」
ヘンゼルが口を衝いた。


11_ヘンゼル2
「お前のことは知っているぞ、ヘンゼル(Hansel)、いや、ハンス(Hans)・エンゲルベルト・フンパーディンク。フンパーディンク家の秘蔵っ子だな」

全員がヘンゼルのほうを向く。フンパーディンク家といえば西の大きな魔術団体だ。

「この作戦は貴様のような自称風来坊に任せるには荷が勝ちすぎる。こんな所で油を売られて怪我でもしてみろ、私が困るんだ。膝に擦り傷を作る前に、グレーテに迎えに来てもらえ」

「手前ェ!黙って聞いてりゃベラベラと!」
ヘンゼルが前のめりになり、銅鑼のついたケインを振りかぶった。
椰子の木が葉を鳴らし、停留していた小さな船が大きく傾いで船頭がバランスを崩した。

ラバナーヌが慌ててヘンゼルを抱きとめる。
「まあまあヘンゼルちゃん。もう最後の船まで乗っちゃったもの、誰も後戻りはできないわ。喧嘩するのは帰ってからにしましょ?」
風の唸りは止み、ヘンゼルがケインを降ろした。

「成程、その強さならボディガードには十分か。皆を守れよ?私を含めてな」

ファラメルディアスはヘンゼルをなおも挑発しながら、荷物を肩にかけた。

「ああ、言い忘れていたが、現地の案内はコーディネータに任せてある。星見も地学も不要だ。待ち合わせ場所に向かうぞ」





12_聞いていません
侘助が眉根を上げる。
「聞いていませんが」

「言い忘れたと言ったろう。今伝えることに何か問題があるのか?」

「同行者の選択権は私にあることが契約にあった筈です」

「あの執事からは聞いてはおらんな。戻ったらクビにするとしよう」


ファラメルディアスは意にも介さず、船着場を背にして歩き出した。



13_出発






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原案・文章(マイケル)
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プロローグ

 

本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります






























01ナタリア_死






02雪柳_死










03アダム_死








04ジェーン_死



――死。

それは欲に溺れ、自分を大きく見積もった者達の小さな死。







06.jpg






プロローグ 死を隠す雪








―本隊上陸 2ヶ月前―






















07エル


「iEs un desperdicio! ン残念だなァ。埋まる前にもう一回シたかったんだけれども」












08ユーホァ

「反吐が出る。アンタごと捨てて帰りたいネ」

















09バードン

「私は有効活用させていただいた」















5つの横たわる死を、常夏の島に降る雪が次第に隠していく。



















10ヴァルター

「―――これで全部か?2人足りないようだが。まあいい、いずれここも雪に埋まる。戻るぞ」




















11マッド

「何もできてなかった奴が偉そうに。全く、こんな所で次が来るのを待つのかよ。殺せないならアメリカに帰りてえ」



















12将園

「焦りは無益である。転経器を貸そう。回すが良い」



















13ナルギレ

「しかし依頼主はどこに居るんだ……?」


声の主は雪が死体を覆い尽くしたことを確認すると、瘴気にまぎれて姿を消した。









14ロゴ







―本隊上陸 1ヶ月前―




『其は永久に横たわる死者にあらねど、測り知れざる永劫のもとに死を超ゆるもの』

男は一冊の真新しい本に折り目をつけると、そっと閉じて依頼者に向き直った。









15侘助


「すいません、つい夢中になってしまった」

 壁三面に高い書棚、間に挟まれた作家机、その上に置ける限りの胡乱な物体―小瓶、地球儀、写真、図鑑、破かれたメモ、そして貴石箱。
 もう11月と言うのにここは蒸し暑く、かび臭い。
 机を背にして座りなおしたその部屋の主の前には、半機械の男が立っている。














16執事


「ですから、調査をお願いしたいのです。侘助様」
侘助―そう呼ばれた男はたおやかな銀髪を掻き上げて、熱意の篭っていない口調で返答した。

「困った。私は初めての方の依頼には、面白そうな仕事か安全で稼げる仕事・・・どちらかしか請けないのです」
男が着ている仕着せの質、与えられている義腕とマスク。どこかの使用人であることは一目で分かるが、この男を遣わした依頼人があまり金払いの良いようには見えなかった。



提示された契約書に気だるげに目を通す。
・依頼者、調査内容、契約金
・調査実費・成功報酬
・同伴者および警護者
「安全は保障いたします。成功すれば報酬も十二分にお支払いいたします」
「胡乱な仕事を依頼する方は皆そう仰るものです。悪いですが――」
侘助の言葉はそこで止まった。


「・・・気が変わりました。この依頼、引き受けましょう」
侘助は契約書にサインをすると、準備があるからと早々に依頼者を追い返した。

この部屋の主は積層する作家机に新たな地層がごとき大きな地図を広げ、契約書の写しに一箇所、地図にもう一箇所、丸をつけた。


クーヘヌールの王笏。
1849年、インド北西部からパキスタン北東部にまたがる地域、パンジャーブがインド帝国の支配下に入った際に女帝であるヴィクトリア女王に献上された、と言われている笏である。
「と言われている」……確証が無いのには理由がある。

その笏の持ち主である大英帝国、ヴィクトリア女王が一度も公開していないからである。
1851年にロンドンのハイド・パークで開催されたロンドン万国博覧会では一般に向け、展示される予定であった。
しかし急遽展示は中止。
煌びやかな水晶宮の中央に飾られるはずの王笏を一目見ようと世界中から訪れた見物客を大いに落胆たらしめた。
それ以降も女王はヴィクトリア朝のどの儀式においても笏を使用することは無く、クーヘヌールの王笏は世の目に触れることは無かった。

これが幻の王笏の『史実』である。

そしてその幻に寄り添うように、逸話が絶えなかった。

「さあ、忙しくなる。烏丸、これを」
侘助は天窓からぶら下がる紐を引いた。
開け放たれた書斎から、手紙の束を抱えた一羽のカラスが黄昏に飛び出した。




















原案・文章(マイケル)
記事・管理(バレット)

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しめ鯖

第2回スチームパンク武装撮影会 第20話(最終話)『傀儡-錆-』

『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話



━━領主の館、教会━━━

「ひぃ・・・ひぃ・・・」

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 荒い息遣いと共に、静まり返った教会に這うように現れたのは、ビッグブラザーであった。既に領主の館は陥落し、民衆達による統治が始まりつつあった。領主を見捨て、戦闘のどさくさに紛れ逃げ出したビッグブラザーは館の物陰に隠れ、封鎖されたのを見ると、這い出てきたのであった。
 陽も落ち、暗闇と静寂が支配する館。酒池肉林を尽くした、華麗な館も、彼方此方に戦闘の跡が残り、その激しさを物語っていた。

「こ、このままで終わってたまるかい・・・もう一度成り上がって見せるわい・・・ヌフ・・・ヌフフ・・・」

 汗と埃に塗れた顔を歪ませ下品な笑みを浮かべる。ビッグブラザー。しかし、同時に、背後から物音が響く。恐怖に染まった顔を向けた先にいたのは・・・。









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「な、なんだお前らは・・・・・・!」






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 そこに現れたのは、英雄達に敗北したはずの、4人であった。
 元蒸気軍実験部隊の軍人であり、シャルロッテに敗北したバレット。
 貴族に雇われていた呪術師のBD。
 宝を狙い屋敷に忍び込んだならず者。淀川により倒されたマイケル。
 ある男を追って館に侵入した暗殺者、サヴァ。

 彼らはそれぞれの顔を睨みながらも、ビッグブラザーに近づいていく。本来四人は仲間ではなく、それぞれが孤高に活動している者達だが・・・。







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「なんだいお前達は!宝物の1つも獲れなかったんだ!ソイツの身に付けてる物を俺によこしな!」

 マイケルが腹部をさすりながら叫んだ。何も手にする事もできず、自身も傷を受けた。せめてこの前にいる身分の高そうな男の身に付けている物を根こそぎ頂かなくては、割には合わぬではないか。











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「・・・・・・柄にもなく、感情的になっている・・・・・・仕事ではないが・・・・・・人を殺したい気分だ」

 ゴットヘルフに敗北したサヴァも苛立ちを隠せなかった。声は落ちついているが、手にした刃物を今にも振り下ろす勢いだ。しかし、自らも負傷をしている。周りの3人を同時に殺せる自信はない。













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「セレニアちゃんの更なる強化のタメに!この男の魂もらわなキャ!呪術の進歩がしないのだヨ!」

 セレニアと呼ばれる人形を撫でながら、BDは甲高い声を上げた。BDにしても、雇い主の貴族がいなければ、より良い実験を行える環境がないわけだ。焦燥感を感じているのは否めない。














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「・・・・・・ふむ。どうやら・・・お前達は俺と同じはぐれ者で・・・・・・どうしようもない悪党のようだ」

 3人の表情を交互に見つめながら、バレットは呟いた。バレットとしても、もはや軍には戻れない。しかし、平凡な生き方など・・・出来るはずもないのだ。












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 4人の”悪”は、絶望に震える”得物”を前に、無言で向き合っていた。今まで独りで戦ってきた自らに起きた初めての”敗北”・・・・・・雪辱を晴らす為、自らの目的を果たす為・・・。4人の”悪”は、”悪党”へ目線を向ける。



















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「・・・・・・どうやら・・・・・・我らの利害は一致したようだな」

 バレットの呟きに、3人は無言で頷いた。そして、ビッグブラザーへと目を落とした。愕然とするこの男を、どのように・・・惨たらしく殺すか・・・。今は敗北を忘れ、その快楽へと興じるとしようか。

「や、やめ・・・た、助けてくれ・・・か、金なら・・・・・」








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「そうだな、金ならたんまり手に入るな。お前を殺せばな」






IMG_0336.jpg  仮面やゴーグルに隠れた4人は、凍りつくような笑みを浮かべ、得物をビッグブラザーへと向けた。血と叫びが暗闇に舞い、静寂を破る。そして・・・再び静寂 気づけば4人は消え、ビッグブラザーであった物が、夥しい血を流し転がる。その様子を平然と見下ろす男がいた。






























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「全ての始まりは・・・全ての終わり・・・。・・・しかし、こうも言いますね。”全ての終わりは・・・・・・全ての始まりとも”」





 男はゆっくりと本を閉じ、目線を正面へと向いた。それは・・・何かを決意した表情であった。






















━━領主の間・跡地━━━




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 領主の間であった部屋は、戦火に曝されていたが、未だに豪華な調度品に囲まれていた。4人の悪党は、領主とビッグブラザーが腰かけていた椅子へと座り、静寂の中、声を交わしていた。


「・・・・・・名前が欲しいな」
「名前?俺達のか?」
「・・・・・・くだらん」
「悪くないネ。名乗りが楽になるネ」

 しばらくの沈黙の後、誰かが呟いた。

「錆びた傀儡”ラスティ・パペット”・・・・・・はどうだ?」
「俺達は所詮はこの世界じゃ、傀儡に過ぎない。政府や金持ちのな・・・だが、錆びた傀儡の糸は切れる・・・・・・糸の切れた・・・傀儡はどうなる?」

 誰かが小さく笑んだ。

「・・・・・・好き勝手に・・・・・・動き出すか」


 そして、この夜。4人組の賞金稼ぎ『錆びた傀儡』が生まれた。



 












━━━━━━━

 
実はまだ終わってなかった!
今回が本当に最後です!

ラスティパペットの前日譚となりました。再度皆さん、ありがとうございました!



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