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第2回スチームパンク武装撮影会 第3話『正義』


『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話







━━反乱軍拠点━━


「・・・卿よ、兵士達が集合したようだぞ」

 反乱軍拠点に築かれた家屋に、いくつかの影がゆらめく。中心には反乱軍首領の深川が、簡素な椅子に厳粛に腰掛けている。それらの影は僅かばかりの隙もなく、深川を取り囲んでいる。


「そうか・・・ならば式辞を始めるとしよう」
「・・・式辞?くだらねぇ、ただの宣戦布告だろうが」


 
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 影の一つであり、奇異な風貌の男は毒づいた。その手には、堅牢な棍棒のような武器が握られている。妖しく光る棍棒から目線を逸らすと、深川は僅かに微笑み、ゆっくりと立ち上がった。その様子を残りの影達は、ただじっと見つめている。

「いや、これは式辞だよ、傭兵君。反乱に加わって頂く善良な市民と、侠気に震えた君ら勇気ある傭兵達に対する、謝辞であるからね」

 余裕の表情と毅然とした返事に、棍棒の男は舌打ちをついた。男の頭部にある兜の角が害意を示すかのように光を反射させる。兵士達が待つ広間へと向かう深川を追うように、傭兵達は足を踏み出す。

「へっ、まだガキだなお前は・・・確かオニ・ムサシ・・・とか言ったか」


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 粗野な笑みを浮かべる、傭兵の男に対して、棍棒の男、オニ・ムサシは
憤懣な表情を浮かべる。しかし、そこに殺意はない。彼らにとって無益な殺し合いこそが、唾棄すべき存在だからだ。

「チッ・・・俺は綺麗事が嫌いなんだよ、善良?侠気?そんなものはあり得ねぇんだよ。てめえらも知ってるだろうがよ!そんなもん飯の種にもならねえ!」

 ガツン、と壁を殴りつけるオニ・ムサシを見て、嬉しそうに嗤う傭兵。その傭兵の両手には、特異的な形状のナイフが握られている。傭兵は、ひとしきりその様子を楽しむと、小さく呟いた。まるで子どもをあやすように。

「まぁまぁ・・・俺達は、依頼主の言われたとおりにやるだけだよ・・・・・・なあ?」

 残りの傭兵達は何も答えない。

 ただ、その目に何かの光が宿ったことだけは、確かである。



━━反乱軍拠点



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 反乱軍の士気は高かった。市民を中心とした民兵部隊と、深川が雇った、凄腕の傭兵部隊により、戦力は格段に上がっていたからだ。深川による鼓舞を目的とした演説に大きく沸き立つ反乱軍。その中には、民兵部隊の教官でもあるゴットヘルフや、ヒヨコ、モリブン・・・そして傭兵部隊の姿もあった。

「私は諸君らに問いたい!!諸君らは今でも、領主を信じているのか?・・・否!善良で聡明な諸君なら分かるであろう。領主は我々を裏切ったのだ!篤実な諸君らより、胡乱な取り巻き達を選んだのだ!!これは許されない間違いである!我々はどうすればいいか?・・・正せばいいのだ!この・・・」


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「どうも面妖じゃな、あの深川という男は」
「何言ってるんだよ!爺さん!深川卿は立派な御方だぜ!貴族との繋がりもあるのに、それを断ち切って俺達の為に反乱軍に出資してくれたんだぜ!しかもあんな強そうな傭兵の連中まで連れてきてくれたんだぞ!」

 ぼんやりと深川を眺めるゴットヘルフにヒヨコが大声を上げる。深川の演説はまだ続いている。忙しく手を動かして鼓舞する深川の周りに備える傭兵集団は、武器を構えたまま、周りを警戒している。流石は戦闘のプロ達である。しかし、ゴットヘルフは小さくため息をついた。

「あ奴の目には真実の光はないよ・・・それに、あの傭兵の連中・・・何かを待っているように思うがの・・・」

 ポンポンと腰を叩きながら、ゆっくりとした口調で呟くゴットヘルフの言葉を無視して、ヒヨコは深川の演説に手を挙げて呼応している。民兵部隊も深川の言葉に感銘を受け、歓声を上げている。その時だった。 


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 扉が破壊される音と共に、集団が雪崩れ込んでくる。足元には、見張りの民兵達が倒れている。その集団達こそ、領主が抱える私兵集団と、中央より招聘された軍部の部隊であった。反乱軍達の歓声は消え、同時にけたたましい、悲鳴と怒号が広間を包み込んだ。

 「クソ家畜どもがぁぁ!領主様に反旗を翻すなど、反吐が出る所業だぜ!」

 先頭に立つ、私兵集団のリーダー、ヴァレンが怒鳴り、武器を構える。他の私兵や軍人達も攻撃態勢に入った。

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「お、落ち着け!態勢を立て直すのだ!反乱軍に光あれ!」

 反乱軍の兵士達は、狼狽しながらも、武器を構える。ゴットヘルフ率いる民兵集団も同様であった。

「やれやれ・・・やるかのぉ」
「や、やってる!僕だってこれくらい!」
「積年の恨み!貴族達に復讐の絶好の機会ですわ!!」
「おらぁ!やってやるぜ!」

 民兵達が同時に声を上げると、即応するかのように各々の得物を手に取る。数では、まだ互角である。さらには、傭兵部隊がいることで、局地戦において、反乱軍の方が戦力的に優位である。自らの為、友の為、家族の為・・・そしてこの国の為に、戦う。民兵達が視線を前方の敵に向けた。


「・・・悪いな、仕事なんでな」

突然の言葉と共に、傭兵達は、その武器を民兵達に差し向けた。


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 背後からの強襲に、民兵達は手向かう事もできず、その地に身を突っ伏した。ゴットヘルフだけは、小さくため息をついた。

「やれやれ・・・わしも耄碌したかの」
「安心しろよ、爺さん。直にそんなもん関係ない世界に行くんだからよ」


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 ゴットヘルフに特異的なナイフを首に突きつけた傭兵は下品な笑みを浮かべる。さきほど、オニ・ムサシをからかっていた男である。

「お前さん・・・そうか、どこかで見たと思ったら卍(まんじ)か」
「へぇー・・・爺さん俺の名前を知っているのか?耄碌爺に名前を覚えてもらえるなんて、光栄だぜ、ウヒャヒャ」

 嬉しそうに声を上げるこの男は卍(まんじ)と呼ばれる傭兵であり、裏社会では名の通った仕事人である。彼の特技はククリ刀と呼ばれる特異的な刃物を用いた暗殺術、狡猾な策略家である事だ。そして彼がこの世界で名が知れている理由としては、どんな汚れ仕事でも喜んで引き受けるという事であった。


「・・・お前さんがいると分かっておったら、さっさと殺しておくべきじゃったなぁ」

 穏やかな笑みを浮かべるゴットヘルフを殴りつけた卍は、倒れた老人に唾を吐きつけた。

「・・・ケッ、いらつくのはこれからだってんだよ、爺さん。ヒャヒャ・・・」










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その日、反乱軍は全面降伏した。




━━━━━
主な登場人物(台詞がある人物達から順に紹介してゆきます)

深川条約機構(深川さん
オニ・ムサシ(アキヤマさん
卍(火伊さん
ゴットヘルフ(
コービーさん



第三話です。
傭兵達が動き出しました。まだ、出番がない方も徐々に出していくので、お許しを。
傭兵のイメージとしては、オニ・ムサシと卍が「動」、残りの二人が「静」というポジションになります。
今回は、傭兵達の「動」なので、この二人に動いていただきました。

次からも物語は動き続けますので、是非お楽しみに!






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