第2回スチームパンク武装撮影会 第20話(最終話)『傀儡-錆-』

『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話



━━領主の館、教会━━━

「ひぃ・・・ひぃ・・・」

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 荒い息遣いと共に、静まり返った教会に這うように現れたのは、ビッグブラザーであった。既に領主の館は陥落し、民衆達による統治が始まりつつあった。領主を見捨て、戦闘のどさくさに紛れ逃げ出したビッグブラザーは館の物陰に隠れ、封鎖されたのを見ると、這い出てきたのであった。
 陽も落ち、暗闇と静寂が支配する館。酒池肉林を尽くした、華麗な館も、彼方此方に戦闘の跡が残り、その激しさを物語っていた。

「こ、このままで終わってたまるかい・・・もう一度成り上がって見せるわい・・・ヌフ・・・ヌフフ・・・」

 汗と埃に塗れた顔を歪ませ下品な笑みを浮かべる。ビッグブラザー。しかし、同時に、背後から物音が響く。恐怖に染まった顔を向けた先にいたのは・・・。









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「な、なんだお前らは・・・・・・!」






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 そこに現れたのは、英雄達に敗北したはずの、4人であった。
 元蒸気軍実験部隊の軍人であり、シャルロッテに敗北したバレット。
 貴族に雇われていた呪術師のBD。
 宝を狙い屋敷に忍び込んだならず者。淀川により倒されたマイケル。
 ある男を追って館に侵入した暗殺者、サヴァ。

 彼らはそれぞれの顔を睨みながらも、ビッグブラザーに近づいていく。本来四人は仲間ではなく、それぞれが孤高に活動している者達だが・・・。







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「なんだいお前達は!宝物の1つも獲れなかったんだ!ソイツの身に付けてる物を俺によこしな!」

 マイケルが腹部をさすりながら叫んだ。何も手にする事もできず、自身も傷を受けた。せめてこの前にいる身分の高そうな男の身に付けている物を根こそぎ頂かなくては、割には合わぬではないか。











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「・・・・・・柄にもなく、感情的になっている・・・・・・仕事ではないが・・・・・・人を殺したい気分だ」

 ゴットヘルフに敗北したサヴァも苛立ちを隠せなかった。声は落ちついているが、手にした刃物を今にも振り下ろす勢いだ。しかし、自らも負傷をしている。周りの3人を同時に殺せる自信はない。













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「セレニアちゃんの更なる強化のタメに!この男の魂もらわなキャ!呪術の進歩がしないのだヨ!」

 セレニアと呼ばれる人形を撫でながら、BDは甲高い声を上げた。BDにしても、雇い主の貴族がいなければ、より良い実験を行える環境がないわけだ。焦燥感を感じているのは否めない。














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「・・・・・・ふむ。どうやら・・・お前達は俺と同じはぐれ者で・・・・・・どうしようもない悪党のようだ」

 3人の表情を交互に見つめながら、バレットは呟いた。バレットとしても、もはや軍には戻れない。しかし、平凡な生き方など・・・出来るはずもないのだ。












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 4人の”悪”は、絶望に震える”得物”を前に、無言で向き合っていた。今まで独りで戦ってきた自らに起きた初めての”敗北”・・・・・・雪辱を晴らす為、自らの目的を果たす為・・・。4人の”悪”は、”悪党”へ目線を向ける。



















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「・・・・・・どうやら・・・・・・我らの利害は一致したようだな」

 バレットの呟きに、3人は無言で頷いた。そして、ビッグブラザーへと目を落とした。愕然とするこの男を、どのように・・・惨たらしく殺すか・・・。今は敗北を忘れ、その快楽へと興じるとしようか。

「や、やめ・・・た、助けてくれ・・・か、金なら・・・・・」








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「そうだな、金ならたんまり手に入るな。お前を殺せばな」






IMG_0336.jpg  仮面やゴーグルに隠れた4人は、凍りつくような笑みを浮かべ、得物をビッグブラザーへと向けた。血と叫びが暗闇に舞い、静寂を破る。そして・・・再び静寂 気づけば4人は消え、ビッグブラザーであった物が、夥しい血を流し転がる。その様子を平然と見下ろす男がいた。






























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「全ての始まりは・・・全ての終わり・・・。・・・しかし、こうも言いますね。”全ての終わりは・・・・・・全ての始まりとも”」





 男はゆっくりと本を閉じ、目線を正面へと向いた。それは・・・何かを決意した表情であった。






















━━領主の間・跡地━━━




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 領主の間であった部屋は、戦火に曝されていたが、未だに豪華な調度品に囲まれていた。4人の悪党は、領主とビッグブラザーが腰かけていた椅子へと座り、静寂の中、声を交わしていた。


「・・・・・・名前が欲しいな」
「名前?俺達のか?」
「・・・・・・くだらん」
「悪くないネ。名乗りが楽になるネ」

 しばらくの沈黙の後、誰かが呟いた。

「錆びた傀儡”ラスティ・パペット”・・・・・・はどうだ?」
「俺達は所詮はこの世界じゃ、傀儡に過ぎない。政府や金持ちのな・・・だが、錆びた傀儡の糸は切れる・・・・・・糸の切れた・・・傀儡はどうなる?」

 誰かが小さく笑んだ。

「・・・・・・好き勝手に・・・・・・動き出すか」


 そして、この夜。4人組の賞金稼ぎ『錆びた傀儡』が生まれた。



 












━━━━━━━

 
実はまだ終わってなかった!
今回が本当に最後です!

ラスティパペットの前日譚となりました。再度皆さん、ありがとうございました!



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