第2回スチームパンク武装撮影会 第5話『軍人』


『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話







━━領主の館━━

「処刑をやめろだとぉ・・・?」

深々とソファーに腰を落とし、訝しい表情を浮かべるビッグブラザーを気にも留めずに、淀川は話を続けた。



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「はい。既に、主だった反乱分子は捕らえました。まずは、人心を落ち着かせ、荒廃した街の復旧に努めるべきかと思います・・・」


「ほほう・・・ええと、失礼。淀川・・・・・・曹長だったかね。君は、政治に口を出すというのかな?」



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 領主とビッグブラザーの横にいた、深川条約機構がにんまりと笑み浮かべて淀川を正視する。(佞臣が・・・)淀川は心の中で舌打ちをついたが、表情は崩さなかった。深川条約機構は身を乗り出した。

「君達はあくまで、反乱を鎮圧する為に呼ばれた”猟犬”だよ。それに、君らのような実験台だけでは心許なく、私の優秀な傭兵や、領主様の忠実なる私兵の皆様の助力があったからこそ、作戦は無事に終えたのだよ?・・・自らの職務も全うできずに政治に口を挟むのは、領域外ではないのかな?」

「いえ、そういうわけではありません。誤解を招いたのであれば、大変申し訳ありません。・・・しかし、街の治安が悪化した状態では、更なる武力蜂起が発生する可能性があります。反乱軍の兵士と、市民達の区別がつかない状態になり、市街戦となると、作戦遂行に大きな障害を及ぼす戦略面からの考察を述べたまでです」

 ほう、と退屈そうに漏らす深川条約機構の興味は、再び左右に侍らす女官へと移っていった。淀川班の隊員達はその様子を憎らしげに見つめている。実験台という言葉には凪橋は目元を険しくした。淀川班の隊員達は、いわゆる『戦闘のプロ』である、しかし、それは同時に、国に害をなす敵を倒す為の『戦闘のプロ』であり、殺戮の為のプロではない。それは淀川自身が強く矜持している部分である。


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「ハッハッハ・・・何だね、そんな事を心配しているのかね!それなら心配はいらんぞ」

 ビッグブラザーが堰を切るように笑い声を上げた。口元から揺らぐ紫煙が、淀川班の隊員達にまとわりつくように流れていく。心地悪そうに、顔を曇らす隊員。

「市街戦になれば、更に盛り上がるだろ。この窓からも楽しい光景が見えるではないか。それはもうエキサイトな光景がだ!・・・それに、市民と反乱軍の見分けなどつかなくていい。怪しいヤツは皆殺しにすればいいのだからな。そうではありませぬか?卿」

「うむ、そうだな。見分けがつかぬなら、仕方あるまい。ブラザーのいう通りだ、うむ」

 ピクリと凪橋の眉が動き、腰の軍刀へと指が動く。しかし、淀川が目線で制する。吐き捨てるため息と共に、凪橋は指を元の位置へと戻した。


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女官がビッグブラザーの耳元で囁く。

「いっそ、街に火を放ってはどうですか?隠れる場所もなければ、反乱軍も拠点を作れないですわ。・・・それに、逃げ惑う人々を窓から眺めての御酒なども、とても素敵ですわ。私もとてもそそられますわ・・・」

「ウワハハ!それも良いな!卿、如何ですか?」

 盛り上がりを見せる貴族達に、言葉を失う淀川班。これはもう暴政ではなく、ただの破壊行為でしかない。淀川は大きく息を吐いた。ゴーグルのレンズが、シャンデリアの灯りにキラリと反射した。

「・・・・・・失礼いたします。行くぞ」

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  部屋から逃げ去るように、軍靴を鳴らし、出口へと向かう、淀川班。奥では遊興に耽る貴族達の堕ちた笑い声が響く。耳にこびり付いたように離れない、領主とビッグブラザーの言葉。自分が軍人としてここにいる意味は何か?こんな腐った豚達が、政治を執るのか?軍人は命令に従えば良い。しかし、その命令は大義の下ではなければ、崇高な命令ではない。軍人が働く任務ではない。・・・・・・これが軍人の任務というのならば、俺は・・・。









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 自然と拳に力が入っていく。


「・・・・・・お前達、ここからは任務ではない。俺個人のやる事だ。どうする?」


 淀川は、廊下を歩きながら、後ろの三人に呟いた。ゴーグルで表情は見えないが、三人にはその感情が見えていた。三人は同時に笑みを浮かべた。








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「・・・構わないよ、僕も不愉快だったしね」

「すまない、ナハシ。本来の予定とは変わってしまったが」

「悪い奴を殺すんだろ?何も変わらないよ」

 フン、と息巻くと。凪橋はゆっくりと刃を抜き、何かを唱え始める。目つきの鋭さが増していく・・・。同時に周りに殺気が渦巻いていく。



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「隊長、水臭いですね!私もついて行きますよ!・・・憧れの貴族サマもイメージと違ったし!」

「援護は任せるぞ、一等兵」

「えー!・・・もう任務から外れるんだし、私も名前で呼んで欲しいです!ロッテか・・・ロロットか・・・シャロか・・・ちょっと考えておきます!!」

 淀川の返事も待たずに、嬉しそうに笑みを浮かべ、ライフルのスコープを作動させ、調整を行う。スコープを覗き込んだ時、その表情は既に冷たくなっている。
 



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『了解シマシタ。これより、個人探索モードへと切り替えます』

「悪いな、同時にメッサー班の動向も探ってくれ。ここからは全てが敵だ」

『了解』

 サッと敬礼をする人造天使の手を取ると、下に降ろさせた。

「もう軍属じゃあない。敬礼は必要ない・・・・・・いつものでいい」

 フッと微笑むと、人造天使も応えるように笑みを浮かべ、慎ましくカーテシーをした。








 

━━領主の館・地下━━

 民兵達が囚われている、牢屋に金属音が響く。




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再び、戦火は上げられた。
 






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主な登場人物(台詞がある人物達から順に紹介してゆきます)

淀川シオン(
淀川シオンさん
凪橋晶(凪橋晶さん
シャルロッテ・ローマン(史郎さん
人造天使(ランアノキリコさん

とうとう軍部が動き出す!
次回から本格的な戦闘が始まります!

にしても淀川隊長はカッコイイなぁ・・・・!!!

写真に写ってはいても、出番がない方は、今後もしっかり出番を作っていきたいと思います。

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