2016/09/02
第2回スチームパンク武装撮影会 第7話『理合』
『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。
前回のお話
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。
前回のお話
━━領主の館・地下━━
無機質な壁に囲まれた地下牢の広間は、金属同士が撲つ音が奏でる。
そして、薄汚れた灰色の壁には塗りつけるような血が飛び散る。
己の存在・・・命をかけた戦いがそこには描かれている。

一方は、反乱軍側についた、蒸気実験部隊淀川班の兵士達。
政府から反目し、義心に従う、百戦錬磨のチームである。
寡黙だが、凄腕の剣士である凪橋。
試作型狙撃銃を扱う、陽気な狙撃者シャルロッテ。
大型盾を軽がると振るうサポート人造天使。
そして一点突破兵器『ビックバンド』の使い手であり、隊長の淀川。

対するは、深川条約機構が金で雇った傭兵集団。彼らには連携はないが、死地を生き抜いてきた技術と生と金への貪欲な執念が立ち込めている。
狡猾な暗殺者で策略家でもある卍。
正義を忌み嫌う若き傭兵、オニ・ムサシ。
寡言なる機械化兵、F。
そして苦悶し、人を殺す男、将園。
彼らの戦いは少しづつだが、集団から個人へとスケールが移って行く。

「くっ・・・なるほど、戦い方こそは無手勝流だが・・・強い」
淀川が卍のククリナイフを受け止めるが、まるで蛇のようなしなやかな動きで、ククリナイフは淀川の首を常に狙い続ける。
「ヒャハハ・・・!隊長さんに言われると嬉しいなぁ!お礼に無様に殺してやるよぉ!」
「お前達・・・この街が滅びれば、報酬を得られる場所が1つ減る事になるんだぞ」
ジリジリと近づいてくる刃に舌を打つ淀川。そんな様子を嬉々として見つめる卍の目がギラリと光る。

「なんだ、頭悪いなぁ、隊長のくせに。いいんだよ、どっか別の所にいきゃいいんだからよぉ!・・・それに、金だけじゃなくて、人を殺してえからやってんだよ!人を殺せて金もらえるなんて、こんなサイコーの仕事があるかってんだよおお!!!」
「・・・!」
淀川が一歩、また一歩と押されていく。

シャルロッテの狙撃銃から放たれた鉄鋼弾がFの装甲に、乾いた音とともに弾かれる。
すぐに衝撃を体全体で吸収し、次の射撃体勢へと移るシャルロッテ。
「チッ・・・随分、硬いね・・・!嫌いじゃないけど、お堅い中にも熱いハートがある人が私は好き!隊長みたいにね!・・・・・・アンタは機械じゃないみたいけど・・・ハートも冷たすぎよ!」
「・・・・・・・・・・」
ピピピピピ・・・!

「!?」
装甲だと思われていた腕から光が放たれ、シャルロッテの体に照準が合わされる。
「・・・・・・・・・」
大きな駆動音と共に、構えた腕に何かのエネルギーが集束していくのが確認できた。
「これはちょっと・・・ヤバイかもね・・・!」
シャルロッテはぺろりと舌を出して、笑みを浮かべた。

「くっ・・・!」
凪橋の刀はカタカタと振るえ、その上に重なるように、重装な棍棒が、さらに力をかける。
その棍棒を軽々と振り下ろすオニ・ムサシは苦々しく凪橋を睨みつける。
「僕と同じで、随分若そうだけど・・・君の瞳は随分濁ってるね・・・!」
一筋の汗が頬を伝う凪橋の挑発にオニ・ムサシは一層大きなため息をつく。

「くそ野郎がよ!民衆の為に?義侠心?誰かの為に?ふざけるなよ!」
「・・・!?なんだこいつ・・・」
出鱈目に棍棒を振り回すオニ・ムサシだが、その攻撃の鋭さが増していく。まるで怒りがそのまま自身の戦闘力へと還元されているかのように・・・。
「反吐が出るんだよ!綺麗事抜かして!誰だって!てめェだって!結局は自分の為に戦ってるんだろうがよ!!」
「ぐっ・・・!」
凪橋の脳裏に、痛みとともに、何かの記憶が浮かぶ。
その合間を縫って、棍棒が頭上より振り下ろされた。

『防御能力15%低下・・・駆動部の補助エネルギーを追加シマス』
牢内の隅でも、ジリジリと人造天使が押され気味の様相であった。
将園の持つ特殊な刃物が少しずつだが、人造天使の装甲に傷をつけていく。
しかし、将園の目元は悲しげであった。
「済まぬ・・・お主のような魂なき者まで壊さねばならないとは・・・なんという無情な・・・く・・・」
『相手の思考パターン理解不能・・・キケン・・・』

少しずつ力を入れていく将園。
しかしそこから漏れる言葉は詫言であった。
「済まぬ・・・済まぬ・・・誰か・・・救ってくれぬのか・・・こんな俺を・・・ああ・・・南無阿弥陀仏・・・南無阿弥陀仏」
祈りながら、将園の持つ刃は確実に人造天使の体へと迫ってきている。
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始まりました、バトル!
今回はザンウーさんの写真をメインに使わせていただいておりますが、本当に素晴らしく、どれを使うか、すごく迷ってしまいました。一話で完結させようと思ったのですが、とても良い写真が多いので、もう一話使おうと思います!
軍人vs傭兵 どちらも個性的なメンバーで、ワクワクします。
写真に写ってはいても、出番がない方は、今後もしっかり出番を作っていきたいと思います。
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