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第2回スチームパンク武装撮影会 第13話『毒香』

『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話

━━領主の館・広間━━
 

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 ヴァルジッラの気迫に押されたモリブデンの前に、鋭敏な動きでトーマが立ち塞がる。そんな妖艶な刺客に、モリブデンは狙いを定めずにいた。それは、動きだけではなく、跳躍とともに、場に広がる不思議な香の匂いが、獣人であるモリブデンの嗅覚を刺激している事も要因であった。

「ふふ・・・下賎な獣には、この香りは強すぎるかしら?」



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 貴族の私兵集団「CARD」の構成員であり、同時に優れた調香師であるトーマは勝機を読み取り、優艶な笑みを浮かべていた。実際、モリブデンの銃撃はかすりもせず、二人の距離は縮まっていた。トーマの槍斧は確実に、モリブデンを死地へと追い詰めている。トーマの
調香には自らを強化する特殊な効果と、相手の戦闘力を減退させる不思議な力があるのだ。

 トーマの放つ香の効果とは別に、モリブデンの視界に映る、床へと転がるヒヨコの亡骸が、彼の集中力を奪い取っていた。

「ヒヨコ・・・」

 浮かぶ涙が、モリブデンの視界も奪う。トーマは、そんな相手の柔弱の匂いを的確に嗅ぎ付け、渾身の突きを繰り出す。


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「これで終わりよ、薄汚い獣人の子犬ちゃん!」

 所詮、僕は獣人・・・。
 こんな強い相手に勝てるわけがない・・・。
 僕は人間の奴隷・・・叶うわけも無い夢だったんだ・・・。

 モリブデンから、戦意が消え、体から力が消えかけた時・・・。






「馬鹿野郎!諦めるんじゃねえぞ!!」








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「馬鹿なっ!?確かに仕留めたはず・・・!」

 トーマの突きは、モリブデンに僅かに届かず、刹那の沈黙が流れた。モリブデンの頭に、続いて再び声が響く。懐かしい・・・温かい声だ。







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「獣人や人間なんて相変わらずくだらねえ事言ってんじゃねえぞ!・・・お前は俺のダチだ!胸張っていけ!!」








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 モリブデンの脳裏に、確かに、ヒヨコの笑顔が浮かんだ。それと同時にモリブデンはすかさず銃口を向けた。香りも何も感じない。ただ、ヒヨコを感じ、穏やかな気が広がっていく。







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「ありがとうヒヨコ・・・!僕は・・・勝つ・・・!!」










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 銃声とともに、トーマが崩れ落ちる。負けるはずもない格下の相手。獣臭い、下賎な獣人に・・・。しかし、今は何の匂いもしない。・・・そうか・・・これが、死の香りか・・・。トーマはその動きを止めた。しかし、表情には穏やかな笑みが浮かんでいた。そこからは、穏やかな香りが広がってくる。








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 もう一方では、ヴァルジッラとマチルダが戦っていた。しかし、凄腕であるヴァルジッラの矢を、マチルダはいつまでも防ぎ切る事はできない。





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「ふん、貴様ではわたくしの時計は奪えぬ。毒に塗れ、惨たらしく死ね」
「この表情・・・言動・・・この人、麻薬を使用している・・・?」













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 勝負は早い段階で、決着がついた。
 ヴァルジッラの毒矢がマチルダの胸に突き刺さる。言葉に出来ぬ激痛にその場に倒れこむ。マチルダ。一方で、余裕に浸かった冷やかな笑みで、マチルダに近づいていくヴァルジッラ

「貴様ではわたくしを救うことができない。わたくしを救えるのは時の刻み・・・そしてあの薬だけが、わたくしを救えるのだ」

 舌を出して、ニヤリと笑み、その場を立ち去ろうとした時であった。



















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「な・・・!?」

 一瞬の隙をつき、ヴァルジッラの肩に注射針を突き刺したマチルダ。その表情は苦悶に満ちていたが、いつもの笑みを浮かべて。

「ふふ・・・ふ・・・貴族に復讐する事はできませんでしたが・・・最後の最後に・・・一人の患者を救う事ができ・・・まんぞ・・・く・・・です・・・わ・・・!」

 そのまま力尽きるマチルダの横で、ヴァルジッラも崩れる。今まで世界を支配していた、文字盤、時を刻む音が消えていく。そして、自らを支配していた、毒気のような、黒いものが消えていった。




「・・・マチルダさん・・・やはり貴方は良い人だったんですね」

「!!」


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 ヴァルジッラの目の前には、モリブデンが銃を構えて立っていた。仲間を二人も失い、モリブデンは瞬きもせず、ヴァルジッラを見つめている。ヴァルジッラは叫んだ。

「こ、殺せ・・・!」
「君はもう殺意も毒もない。殺さない。君はもう自由の獣人だ」

 はやくここから逃げるんだ。それだけ言うと、銃口を降ろし、ヴァルジッラから離れていく。









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「く、クソ!殺せ!俺を殺せー!!」

 力も毒もなくなったヴァルジッラの粗野な叫びは、静寂に包まれた広間に反響した。しかし、そこに倒れている者達の耳には入る事は無い。










「すまんな、モリブデン。実はわしはヒヨコの・・・」
「ゴットヘルフさん。今は戦いましょう」

何かを察したようなモリブデンの瞳は力強く輝いていた。










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「ゴットヘルフさんはここにいてください。僕は領主をさがして・・・全てを終わらせます!」
「シャルロッテ、領主達を探すぞ。奴らは領主の間にいるはずだ!二手に分かれて向かうぞ」
「ヒヨコ・・・ワシは・・・すまん」
「はい!分かりました隊長!この戦いが終わったら、隊長・・・私の事をシャロって呼んでくだ・・・あ!もういない!もー!!」


 4人は各道へと分かれた。そして、戦いは最終局面へと流れていく。






 誰もいなくなった広間の通路から、ヴァレンがひっそりと姿を現した。















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「く、くそ!何てことだ!あ、あんなクソムシどもにCARDがやられるんて!・・・領主様に助けてもらうしかない!・・・こ、こんなところで死ねるかよぉ!!」





━━━━━━━

今回で民兵vs私兵の戦いは終了です。
写真の量やシナリオの関係で、出番にムラがあり大変申し訳ありません。
残りわずかとなってまいりました!

伏線がほとんど拾えていない感じもしますが、極力皆様の設定は、ストーリー内に反映させようと思っております。



写真に写ってはいても、出番がない方は、今後もしっかり出番を作っていきたいと思います。
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