第2回スチームパンク武装撮影会 第16話『傀儡-操-』

『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話

━━地下室━━━



 領主を探し回ったモリブデンだったが、気になる場所を見つけた。薄暗い地下へと続く階段の先に、異様な雰囲気の扉を見つけたのだ。
 人の気配を感じない扉を警戒をしながら少しずつ開いていく。
 モリブデンが、その部屋に入った時、不思議な空気を瞬時に感じ取った。それは獣人ゆえの鋭い感覚なのか、それとも、人ではない者の力を感じ取ったからか。





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 冷たい金属の扉の先には、黒いコートに身を包んだ男が腰かけていた。男は身動ぎせずに口を開いた。

「ヤァ・・・お客サンかネ?」
「・・・あ、貴方は?」

 薄暗い部屋全体には無数の計器や機械が、壁を這うように敷き詰められている。まるで何かの実験室のようであった。椅子に座る大柄の男の腕には、可憐な少女の人形が、同じように腰かけていた。
  ただの人形のようだが・・・その瞳は不思議な耀きを持っていた。

 「ワタシはBD。・・・本名はバルツァー=ディートハルト・・・ま、BDでいいヨ。・・・この屋敷に召し抱えられている呪術人形使いだヨ」
「じゅじゅ・・・?」




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 聞き慣れない言葉にモリブデンは困惑したが、BDから殺気や闘志のようなものは感じられず、警戒は解いていた。椅子の機械音を鳴らしながら、身を乗り出すBDは堪えるように言葉を続けた。

「しかシ、ここの領主も嬉しいプレゼントをくれるネ」

  口元は大きな仮面に覆われており、表情を窺うことはできないが、その声は歓喜に満ち溢れていた。モリブデンは言い知れない嫌なモノを直感的に感じ取った。








 「鮮度の良い獣人はナカナカ手に入らないからねェ」

 その刹那、BDから強烈な殺気と死臭が放たれる。BDのモリブデンに向ける視線は、同じ生き物に対してのものではなかった。実験動物、家畜といったものに対する目であった。
 モリブデンが反射的に銃を構え、銃口を向けようとした。







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 ガキンッ

 しかし、銃身に強い力が加わる。気づけば、BDの腕にいた人形が動き出し、腕に備えたスピアーでモリブデンの銃を押さえ付けていた。

「なっ・・・!」
「このコは、Bd3 式自動呪術人形プロトタイプ・セレニア・・・つまり私の愛しい娘だヨ」
「あ、貴方は一体何者なんですか・・・!」
 






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「サキホドもいったように、ただの呪術人形遣いだヨ。ココデ、死者の魂を用いての呪術人形を作っているんだよ」
「何・・・!?」



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「この娘は、降霊術を用いて、魂を宿しているンだよ・・・まだカンペキじゃないケドネ・・・。君のような獣人の魂ならば、さゾ、強い力を持つ呪術人形がツクレそうだヨ」

 狂気に染まったBDの熱弁に、モリブデンは動揺を隠せなかったが、距離をとりながら考える。あの人形は見た目よりもスピードもパワーも兼ね備えている。

「君ならあの、CARDのヘビ女よりも、きっとイイ実験台になってくれるヨ」

 モリブデンはその言葉に目を見開いた。








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「ヘビ女って・・・まさかあの?」
「オヤ知っているのかイ?あのヘビ女は、チュウトハンパな獣人でネ。使い物にナラないので、精神安定剤と称して、私の麻薬を注入してアゲたのだヨ。力と引き換えに、正気を失っていク、ステキな薬だよ」

 モリブデンは目を細める。心の中で怒りがこみあげてくるが、心は意外と・・・落ち着いていた。彼女から溢れていた毒気、狂気が天性のものではないと感じていたが・・・。

「あイツは確かドコカの見世物小屋で拾ったハズだ・・・良い呪術人形の魂になるかと思ったんダケドね・・・だめだネ、弱り切った魂ジャ、ツカイモノにならない。私の麻薬で、番犬くらいにハなったンダロウけどね・・・」






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「許さないぞ・・・お前は・・・人の命を何だと思っているんだ・・・!!」

 再び銃口を構えたモリブデン。こんなヤツの為にあの獣人の娘は・・・マチルダさんは・・・そして、ヒヨコは・・・!銃を突きつけられた、BDは大きく息をつき応えた。
















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「他人の命・・・?キマッテルダロ、私の可愛い人形の、生け贄ダヨ!!」

 













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 再び、人形が動き出し、槍を構えた。モリブデンの心は揺れた。この人形にも、誰かの魂が入っているのか・・・?そう思えば、自然と銃を握る力が抜けていく。僕が憎いのは、この人形の女の娘じゃない。この奥にいる、命を弄ぶ奴だ!


 その時、人形・・・セレニアは、僅かに、その可憐な表情をモリブデンに向けた。










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「え・・・?」

 ゆっくりと槍を引くセレニア。モリブデンも自然と腕が止まっていた。そして、セレニアは静かにモリブデンに微笑んだ。微笑むはずはないのだ。BDからは、セレニアの顔は見えない。

しかし・・・確かにその瞬間だけは、セレニアはモリブデンに微笑んだ。


「君、優シインダネ・・・・・・アリガトウ」



 モリブデンの耳には、確かに聞こえたのだ。
 そしてその直後、セレニアは動きを止めた。













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 「ソソンナ!馬鹿ナ!な、何故動かなイ!?何故ダァーッ!!!!セレニアちゃーーーん!!」

 予想外の出来事にBDは叫び声を上げる。主人に従わぬ人形にBDは悲しさと怒りの混ざり合った表情を浮かべた。モリブデンはセレニアを見つめ、小さく笑んだ。そして、強い瞳でBDを睨み付けた。









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「もうお前の負けだ・・・諦めろ」
「ヒィッ・・・命ダケハ・・・タ、タスケテクレーッ!」




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「領主はどこにいるんだ・・・!」
「ヤヤツラハ・・・コノマウエノ部屋にいルヨ・・・!ほ、本当だ・・・。ダカラ命はたすけテ・・・」

 必死に命乞いをするBDに、モリブデンは更に銃口を突きつけた。


「そんなに大切な命を・・・・・・お前は弄んでいるんだ・・・!罪を償え!」
「ヒィィィィィィ」

 モリブデンは・・・BDの顔に照準を合わせ・・・引き金を引いた。






ドンッ















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 勢い良く放たれた弾は、BDの顔のすぐ横を掠め、後ろの計器を破壊した。
 BDはマスクから泡を吹き、気を失った。













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「これでいいんだよね・・・」


 モリブデンは、気絶したBDの傍に転がるセレニアの表情を見た。
 セレニアの顔は・・・笑っているように見えた。















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 まだまだラスティパペット活躍回が続きます!(?)
 お楽しみに!

写真に写ってはいても、出番がない方は、今後もしっかり出番を作っていきたいと思います。

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