第3話

本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります










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第三話 襲撃
「我は鏘園。暗明の虚無僧なり。この島にまとわる一切の業を断つために居る」




01虚無僧名乗りを上げる 赤銅色に鈍く光る天蓋。鉄糸で彩られた法衣。そして両腕に携えるは身の丈に及ぶほどのガットリングゴン。
巌のように動かず、視線は見えず。しかし只ならぬ殺意がヘンゼルの産毛を瞬間的に逆撫でた。



「全員反転!走れっ!」



額の先から突き出るような号令を出すヘンゼル。
虚無僧の出で立ちに呆気にとられていた他の者も我に返り一目散に来た道へ走り出した。

02みんな逃げてろ ヘンゼルは全員の後姿の射線を遮りながら、それでも再び口角を上げて敵を挑発する。
「ひゅう、物騒なモノぶら下げて坊さんとは、仏教ってのは随分と乱暴なんだな」

虚無僧は動じず。逆光のシルエットを崩さないまま、禍々しい得物の口をこちらに向けた。

「暗明では三具を以って虚無僧と成る。天蓋、袈裟、そして法具である。この転経奇環砲が汝の業を巻き取ろう」


03なるほど 勢いよく数珠を引くと初爆を起こし、砲塔がギャリギャリと回転し始めた。


「如是我聞、汝等衆生、当信是称讃、不可思議功徳、一切諸仏、所護念経」


鏘園が片手で印を組み、念仏を唱える。


「なるほど、その臭いだ。先遣隊の6人を殺したのもその物騒なガットリングか」


黒い排煙を撒き散らし、砲身が唸りを上げていく。




「否。我は此処で一人の天狗に経を読んだに過ぎぬ。あとの者は――」




砲塔に刻まれた経文が赤熱しだした。








04全員逃走中




 ・・・・・・・・・・・・・
「それぞれが持ち場にて殺した」














05なんだと 「……んだと……!?」










8人がヘンゼルに背を向けて走り出してから数十秒、狂ったドラムロールのような発砲音が森をつんざいた。

「ヘンゼルさんが!!」
モルゲンロートが叫んだ。


「こんなときの用心棒だろうが!振り返るな!」


ファラメルディアスが泣き言を一喝する。薄情ではあるが、身を呈して作った逃走の時間を無駄にする余裕はない。
あの武器は明らかに密集した捜索隊を一網打尽にする力を持っていた。

南北戦争以降、小銃の強力な殺傷力が戦列歩兵式の歩兵運用を廃れさせ、機動性と軽便さに欠けるガットリングガンは野戦では役に立たない兵器となってしまった。しかし、戦術行動を取らない素人や民間人を一方的に掃討することにかけては未だに有用であることを駐在武官であるファラメルディアスは知っている。

そして、反撃手段を持たない相手がすることはひとつ。射程の届かない場所まで逃げて身を隠すことである。

捜索隊は、こんなことになるならもっと枝を切り開いて進むべきだったと後悔しながらも、手も脚も肌が出ているところは全て傷だらけにして走り続けた。



数分か、数十分か。ミーナがへたり込んだところで全員が足を止めた。



「何とか…ここまで逃げれば一旦は……」




06何とか逃げられたか












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原案・文章(マイケル)
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