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第13話

本記事は1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります



ザクローゼン率いるコヒヌール捜索隊を襲った鏘園と名乗る虚無僧。

隊の用心棒ヘンゼルは仲間を退却させつつ、圧倒的な力でこれを撃退した。


足跡を辿って深い藪を付き切った先には、走り疲れた仲間たちがへたり込んでいた。


00_ロゴ

「みんな無事か!」
「無事だ。ここに居るのはな。だが・・・」

ザクローゼンは顔を上げて答える。声は冷静だが、それは安堵の表情ではなかった。

ヘンゼルが指折り数える。依頼人ザクローゼン、通信者モルゲンロート、学者ミーナ、医師ポワゾン、吟遊詩人翡翠、コーディネーターセイヤン、そして自分……1人足りない。


混乱のさなか、貴石屋 侘助の行方が分からなくなってしまっていたのだった。

「私がしんがりを務めていたのですが……途中の藪を抜けた時には、もう侘助様は何処かへと……申し訳ございません!」

セイヤンが重圧に堪らず声を上げる。


「しかし、あの虚無僧はあなたが倒したんでしょう? ならその内合流できるはずでは」

ポワゾンの楽観的予測にも、ヘンゼルは喜ばない。

「いや……この島にはまだ俺たちを狙っている奴がいる。恐らくは、あと5人」



先の戦いで得た情報が確かならば、消息を絶った先遣隊6名は「それぞれが持ち場にて殺された」。

鏘園を引いても、まだこの島には捜索隊を狙う者があと5人。
どこにいたとしても、単独行動で安全なはずはない。

押し黙る一同。

「とにかくご飯にしましょう!」

張り詰めた空気を断ち切ったのは、ラバナーヌの言葉だった。





01_団欒 ひと時の団欒が、捜索隊の心を和らげる。
日が落ちて一際冷え切った体を、焚き火と温かいスープがゆっくりとほぐしていく。

「ザクローゼンさんよ。3ヶ月前だっけか?先遣隊が消息不明になったのは」

最後の一口を飲み干した翡翠が、湯気を吐きながら尋ねた。

「それって先遣隊がお宝を持ち逃げしたってことは考えられないか」

「それはない」

ザクローゼンは切り捨てた。

「先遣隊には宝玉のことは伏せて調査を依頼した。例え宝を見つけたとしてもあいつらの素性は知り尽くしている。今も監視中だ」

それは私も同感です、とミーナが重ねる。

「貴金属を適切な価格で売買するルートは限られています。ましてや大英帝国が秘蔵する宝玉を売るなんて大それたことを一個人が隠し通せるはずがありません。皆さんも出し抜けるなんて思わない方が身のためです」


「そうだ。そしてこの島にたどり着く航路はひとつしかない。港の人間も全て買収済みだ。妙な動きをすればお前らの命も保証できないぞ」

おおこわいこわい、と翡翠はリュートをつま弾いた。


02_見回り 先に寝ていたヘンゼルは、この夜何度目かの見回りに出た。

寝静まるザクローゼン達から離れすぎないよう注意しながら、注意深く監視する。



空は少しづつ白んで来ていた。地面を観察するも、足跡らしきものは見えない。


焚き火、談笑、リュートの音色。敵にこの場所は知られていることだろう。しかし、とうとう襲撃されることはなかった。

「もうすぐ一番冷え込む時間帯だ。小便したら薪を足してやらなきゃな」




03_背後 ヘンゼルが茂みに向かって用を足していると、背後で足音がした。

「お、連れションか?」
返事はなかった。




ズム。














04_ナイフ 熱く燃えるような痛みがヘンゼルを貫いた。

それがナイフだとすぐに分かったが、ヘンゼルにはもうどうすることもできなかった。




「いやあ侘助様は素晴らしい方をお雇いなされました」









05_痛み 「おま……え……」



ワンドが手から滑り落ちる。



06_ロッド 「ヘンゼル様がこれほどまでにお強いとは私も計算外でした。きっと他の刺客にも勝ち目はないでしょう」

肩を掴み、柄を捻る。


「ですから、あなたにはここで退場いただきます。お疲れ様でした」


凶器をゆっくりと引き抜くと、糸の切れた人形のようにくずおれるヘンゼル。全身がガタガタと二度ほど震え、それきり動かなくなった。






07_勝利 セイヤンはナイフに塗られた毒を注意深く拭き取ると、それを手際よく袖にしまい、静かにその場を後にした。

 

 






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原案・文章(マイケル)
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