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第18話

本記事は2018年1月28日に行われた第3回スチームパンク武装撮影会のストーリーになります




00_ロゴ

「なんだ話とは」


01_歩き モルゲンロートは、聞かれながらも黙っていた。

彼女の喘息を守るマスクが顔色を隠していたが、何か後ろめたいことを告げようとしていることはファラメルディアスも感じ取っていた。


消失した大英帝国の秘宝、コヒヌールを追う捜索隊は、用心棒であるヘンゼルを喪い、非武装の状態で窮地に立たされていた。

自衛手段は無く、ダイヤを守る暗殺者から何度かの襲撃を受けた捜索隊は疲弊していた。
その絶望的な状況でも、依頼主であるファラメルディアスは断固として捜索を止めなかった。

モルゲンロートは捜索の依頼を受けた侘助から、無線通信を任されている。
もしもの際には島外に連絡し、島から脱出するためにと。


今がそのもしもの有事である筈なのだが、モルゲンロートの通信機は島外との連絡が取れずにいた。


「じつは……」

通信できないことを恐る恐る告げるモルゲンロート。

「直る見込みは」

無い。

モルゲンロートは黙って首を振ることしかできなかった。
ファラメルディアスは急に声を荒げた。


「これ以上足を引っ張るのか! クズめ! 」

「冒険ごっこじゃないんだぞ! 胡散臭い貴石屋が呼んだ胡散臭い連中だと思っていたが、もう我慢の限界だ!」

「食料が尽きる前に殺してやる!」


02_脅し 言いたいだけの言葉をモルゲンロートに叩きつけると、ザクローゼンは腰からエンフィールドリボルバーを抜いた。





「逢引中失礼。お邪魔でしたかな」




突然の声に顔を上げると、そこには男がいた。

いや、男かどうかはわからない。
アルスターコート、トップハット、ステッキを携えた紳士のいでたちをした「圧力計」が、朽ちた木に腰掛けていた。

03_こんちわ
「座りながらで失礼するよ。 なにせ有限の肉体は初めてでね。歩いたら疲れるという現象に少し戸惑っているところだ」

バードンは袖口からを3連フリントロックを抜き、撃鉄を起こした。

「では、さようなら」



ファラメルディアスはモルゲンロートを盾に銃を向ける。


04_応戦 「貴族の風上にも置けない蛮人は先に死ね」


銃口をファラメルディアスの頭部に向けると、引き金を引いた。



05_さよなら ファラメルディアスはその場で絶命した。


「大脳を狙えば苦しみもない。 心配はいりません。あと2発ある。貴女もすぐに終わります」



2発目の銃声が森にこだまする。


だがそれは、エンフィールドリボルバーから発されたものだった。



06_着弾
モルゲンロートが崩れ落ちるファラメルディアスの右手ごと抱えて撃ったその一発は
バードンが纏うアルスターコートの黒をさらに深い色に染めていく。




弾は肺を貫き、出血で呼吸もできない。

「ぐっ、がああああ」


実在する肉体が痛みを脳に発信し続け、制御できずに膝をついてしまう。

「グアアアア! なんだこの痛みは! 熱さは!! 駄目だ、なんなのだこれは!!」




08_敗北 バードンは全身から水色の靄を噴き出した。痛みに耐えられず、バードンは肉体を乗り捨てることを選んだ。

靄の塊が渦を巻き、モルゲンロートに襲い掛かる。

「いやあああああ!!」


新しい肉体への憑依はしかし、失敗に終わる。
彼女のマスクが体内への侵入を許さなかったのだ。

バードンを形作る靄はだんだんと勢いを無くし、しばらくして強い風が吹いた拍子に静かに消えていった。


モルゲンロートは2つの亡骸の間で怯えながら、しばらく縮こまり続けた。






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原案・文章(マイケル)
記事・管理(バレット)


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