第2回スチームパンク武装撮影会 第19話『終結』

『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話



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・・・全ての始まりは・・・全ての終わり・・・。
先人達の御言葉は身に染みますね。

さて、この物語の終わりはどのようになったのか。
一緒にご覧ください。







━━領主の間━━━

 窓の外では、尚も戦乱が続いている。しかし、兵士の声より、民衆の怒号が増してきたようである。恐怖と暴力は今ここで消えようとしている・・・。そして、この間において、最後の暴力が始まる。




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「貴様らぁ・・・CARDをここまでコケにして、貴族様に刃向かおうなんて舐めた真似しやがって・・・!!」

 ヴァレンは歯を剥き出しにして吼える。対面にいる4人の中で、淀川が一歩距離を詰めた。しかしヴァレンは続けて叫ぶ。後ろのビッグブラザー以下貴族達は緊張した様子で目を向けている。







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「クソ!美女達に囲まれて、おもしろおかしく暮らしてやがったのに!てめえらが全部ぶち壊しやだったんだ!何が不満だ!貴族様の強大な力に守られて、何にも怯える事なく暮らしていたこの街を!お前らがこんなにしやがったんだぞ!」

 淀川の目つきが厳しくなり、また一歩近づいた。しかしヴァレンは気にせず続けた。

「特にてめえら軍人どもは気に食わねぇんだよ!黙って命令に従ってりゃいい犬が!!泥と汗に塗れてどこかの戦地でドタバタやってりゃ良かったんだよ!この部屋だってなぁ!てめえらみてえのが来るところじゃ」













「もういい、黙れ」















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ドガッ

 次の瞬間、ヴァレンの顔に、淀川のビックバンドが打ちこまれていた。











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「ほれ、逃がすかよ!」

 すかさずゴットヘルフが杖を振ると、それは三つの節に分かれ、ヴァレンの足元を狙い打った。バランスを失ったヴァレンは床へと転げる。




















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「ぐぁ・・・ひぃぃ・・・。い、痛てぇ・・・・・・ハッ!?」

 床に転がり、顔を抑えるヴァレン。その表情は痛みで醜く歪んでいた。そして、その頭上には、銃口が向けられていた。シャルロッテは表情を変えないまま、引き金に指をかけている。

「あが・・・た、助けて・・・・・・・・・」








 シャルロッテの目は冷たかった。
 それは、人を殺す目ではない。民衆を助け、隊長の命令に従い、ただ事を処理する・・・目だ。ヴァレンの言葉に僅かに微笑み、呟いた。













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「そう言った相手を・・・・・・アンタは何人殺したんだ?」


 次の瞬間、引き金が引かれ、小さな銃声が響いた。












 最後の駒もなくなった、領主は慌てる。

「どうすればよいのだ、ブラザーよ」









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「お助けください。私は無理やり従っていたのですわ」
「お許しください。私は嫌々やらされていたのですわ」

 イブリンとシトリーは、もはやこれまでと投降しようとした。彼女らにとって、権力の消失が、忠誠の消失でもあるのだ。ビックブラザーは目を見開いて、狂ったような声をあげた。









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「く、くそぉー!ワシを裏切るなんて許さんぞ!」








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「こ、この女の命が惜しければ投降しろ!ヌフ・・・ヌフフ・・・!」
「ブ、ブラザーよ・・・だ、大丈夫なのか?」

 ブラザーと領主は、女官二人を盾に取り、武器を向ける。













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「チッ・・・往生際が悪いのぉ」
「無駄な抵抗はしないで!無益に殺す気はないんだ」





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「終わりだ、投降しろ」











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 しかしブラザーは狂乱し、銃を向ける。深川も刀を抜き、場は騒然とした。少しの間、室内には弾が飛び交い、火花が散った。・・・しかし、戦いを切り抜けてきた四人の相手ではなかった。すぐに、領主の間は・・・静まり返った。

























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 イブリンとシトリーは、ブラザーの凶弾に倒れた。領主も抵抗したが、銃撃戦の際の流れ弾に撃たれ、座したまま命を落とした。全ての戦いはこれで終わったのであった。床に倒れた貴族達の亡骸は、権力の終わりを意味した。
 こうして・・・領主は討たれ、街は民衆達を中心に再興されたという。






















 淀川とシャルロッテのその後は軍の記録に残されていない。噂では、軍法会議にかけられたとも・・・二人で軍を抜けたとも囁かれた。そして・・・この戦いで戦死したと思われた凪橋・・・そして破壊された人造天使の亡骸も・・・屋敷から消えていたという。

 ゴットヘルフは街の復興の中心人物となり、街を建て直したと言い伝えられている。その傍ら、孫の墓参りを欠かさずに、供養し続けたという。モリブデンも、ゴットヘルフに協力し、戦いで傷ついた人々の療養所を設立したという。そこは、マチルダの遺した研究所跡地に建てられた。そこは、人種や身分に関わらず、受け入れたという。その中で治療を受けた者達の中に、蛇の獣人や、ある貴族の遺児の女性がいたという記録も残されている。





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 深川はこの戦いの混乱の最中、館から姿を消したという。彼は、再び豊富な資金を使い、傭兵達を集めるかもしれない。しかし、この街を再び覆う事はないだろう。
 この街の民衆達の胸の中には、街を救った八人の英雄達の姿が焼き付いているからだ。











  end.........?





━━━━━━━

 この撮影会が、2016年の2月に行われました。
 それから一年以上がかかりましたが、やっとブログがひと段落しました。
 素晴らしいカメラマンさんと素晴らしい参加者様のおかげで、とても良い撮影会になりました。

 この撮影会は、設定づくりや、所属ごとのグループDMなど、撮影前から、念入りな話し合いが行われました。ゆえに、各グループの皆様の統一感や、世界観の共有がとても素敵だと思います。
 単にスチームパンクというドレスコードだけではないのが、この武装撮影会の魅力の1つだと思っています。慣れている方もそうでない方も、設定をつくり、(イラストまで描いていただいた方も大勢居ます)本当に感謝しています。

 撮影においても、RP全員が監督となり、当日動きました。お手伝いさんのミドルさんにも大変お世話になりました。私がやりたかった「ストーリー撮影」「グループごとの大規模戦闘」という自己満足を無事に果たすことができて、本当に嬉しかったです。是非今後のRP主催の撮影会も、参加していただければと思います。


 参加者の皆様、カメラマンの皆様、お手伝いの皆様、そしてこのブログを応援してくださった皆様。
 本当にありがとうございました!!!



第2回スチームパンク武装撮影会 第18話『混迷』

『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話



━━領主の間━━━



「大変でございます!館内は戦闘状態に突入!ヴァレン様、BD様も行方不明。蒸気実験部隊メッサー班とも連絡がとれません!」
「報告によると、淀川班の隊員2名と、牢から逃げ出した民兵2名がこちらへ迫ってきているとのことです!」

 喚くように報告をする側近達の声を、どこか他人事のように聞く領主。しかし、屋敷内から聞こえる叫び声や剣戟の音は、確実に近づいている。


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「ふむ・・・まずいな。ブラザーよ。どうすればいい?」



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「・・・ハッ?あ、はい・・・ご、ご安心ください!ヌハハ・・・。今妙案を考えているところでございます」

 領主から尋ねられたビッグブラザーは動揺した声を出して、応えた。彼は身支度を済ませ、鏡に向かっていた。声は普段と同じ、余裕と陽気に満ちたものであったが、頬を伝う汗が止まらない。



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「心配いりませんわ。領主様に楯突こうなどありえませんわ。敬愛する領主様に、皆心服しておりますわ」








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「心配いりませんわ。領主様に刃向かおうなどありえませんわ。畏怖する領主様に、皆平伏しておりますわ」

 決められた言葉を読み上げるように、女官のシトリーとイブリンが領主の両側で気持ちを静める。彼女達にとって、これが生き方なのである。他者などはどうでも良いのだ。











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「さて・・・これ以上は、ページをめくる必要はないようですね」

 部屋の片隅にいた男は、本を閉じ、扉へ目線を送る。
 貴族達には、男の姿は見えないのだろうか。








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 勢い良く、扉が開くと同時に、側近達が倒れこむ。そして、淀川シオン、シャルロッテ・ローマン、モリブデン・・・遅れてゴットヘルフが部屋へと雪崩れ込む。とうとう、両者が対峙したのだ。












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「ええい!身を弁えない下賎な愚かものどもめ!」
「本当ですわ、汚らわしい」
「本当ですわ、恥ずかしい」

 叫ぶビッグブラザーと女官達。傍らにいる深川も軽蔑する目を浮かべ。






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「全く・・・君達はこの街を混迷させる恐ろしい存在だ。しかも淀川班にいたっては軍の裏切り者。不忠の極みだね」







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「なんとでもいえ。私は軍人だがその前に愛国者だ。この街を腐敗させているお前達の命には従わない」





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「隊長の言う通りだね、一番混迷させているのは、アンタ達だよ!・・・丁度良かったこういうヤツらを倒すのが・・・正義の味方の仕事だよ!」

 シャルロッテは銃口を向け、睨みつける。かけがえの無い仲間を失ってまでここまできたのだ。必ず・・・仕留める。それは淀川も同じだ。拳に力が入る。






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「ゴットヘルフさん!・・・何でここへ来たの・・!?」



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「悪いのう・・・やはり自分の手で、片を付けねば・・・気が晴れんでな」

 か細い声で呟くゴットヘルフ・・・しかし先ほどとの目つきの違いをモリブデンは感じ取っていた。力強く頷いて、共に貴族達へと目をやる。

「・・・・・・分かった・・・!終わらせましょう」












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 構える4人の前にビッグブラザーは口を歪ませた。まさか・・・本当に・・・我々に手を出すのか・・・!

















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「フハハハハ!貴様らみてえなクソゴミ虫どもが、偉大なる貴族様に銃を向けるだとぉ・・・!ふざけんなぁぁぁ!」







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 叫び声と共に現れたのは、行方不明になっていた、CARDのリーダー、ヴァレンだった。正気を失った瞳と声で、四人の前に立ちふさがる。




 最後の戦いが・・・始まる・・・!!






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さあ!最後の戦いが・・・始まります!

第2回スチームパンク武装撮影会 第17話『傀儡-弾-』

『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
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写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
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前回のお話
━━領主の館・通路━━━


 シャルロッテは領主のもとへと急いでいた。彼女は命令に従う軍人であるが、今の彼女を動かすものは司令部の命令ではなく、蒸気軍実験部隊長である淀川シオンの信念である。
 シャルロッテは淀川の事を軍人としてだけではなく、人として持つ矜持に特別な敬愛を抱いている。それは、かつて、自らを拾って育ててくれた事に恩義を感じていたからだ。 一方で、淀川班と共に送り込まれた蒸気軍実験部隊メッサー班の隊員の一人にも尊敬している軍人がいた。そのメッサー班ともしばらく連絡が途絶えていた。

 「!」

 前方でコートを着た男が蠢いている。顔がよく見えない。ライフルを向け、意識を前方に向けた。肩に力を入れるシャルロッテに、声が送られた。

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 「おいおい、その反射速度は認めるが、上官に銃を向けちゃいけねえだろ・・・一等兵よ」














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バッ

 前方の男がコートを脱ぎ去るとそこからは全身鎧に包まれ、革製の特徴的な兜を身に付けた男が現れた。そして男の腕にはシャルロッテと同じ腕章がつけられていた。

「あ、貴方は・・・・・・バレット軍曹!」

 シャルロッテは銃を下ろし、瞬時に敬礼をした。面識はなかったが、階級腕章と、弾丸が備え付けられた特徴的な兜を持つのは蒸気軍の中でも、一人だけだ。
 バレットトリガー・・・とある戦いにおいて、全身が傷付きながらも仲間を救ったという英雄的な軍人であった。そして、粗野ではあるが、義に厚く高潔な軍人だと聞いていた。

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「ご無事でありましたか軍曹」
「あぁ。まあな。淀川班も無事みたいで、良かったぜ」
「高名なバレット軍曹にお目にかかれて光栄であります!」
「まぁそんなに世辞るな。やれる小遣いはねえぞ」

 初めて会う憧れの上官。軍人であれば胸が高鳴るはずに決まっている。一等兵であるシャルロッテからすれば、軍曹のバレットは上官であった。噂によれば、バレット軍曹は戦場での負傷の後は軍の機密計画に加わったと聞いていた。・・・確か、負傷兵再派遣計画(recycle troopers project)だったと・・・。それがメッサー班の隊員として参加すると聞いていて、会うことを心待にしていたのだ。






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「・・シャルロッテ一等兵だったか。他の淀川班の隊員はどうした?」
「それが・・・二名は戦死。淀川隊長は・・・個人の裁量で動いております」

 シャルロッテからすれば、淀川班の造反を伝えるのは憚られた。僅かに表情を曇らしながら、目線を逸らした。 バレットはそれ以上追及せず、シャルロッテの背後に回りこんだ。











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「バレット軍曹。ところで、他のメッサー班の隊員はどこへ?」
「ああ、そいつはな・・・」
 シャルロッテの背後で蒸気式ソーが音を上げる。


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ザザッ

「俺が皆殺しにしてやったよ!!」
「!?」

 僅差のタイミングで、シャルロッテは、バレットのソーを避ける。尊敬する相手からの、狂気の攻撃に、思わず叫んだ。






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「・・・!?どういうつもりです、軍曹!」
「フン、もう・・・作戦も仲間も必要ないのよ!俺様だけが生き残ればいいんだよぉ!」
「くっ!」

 正気を失っていたバレットの攻撃を交わすと、シャルロッテは銃を構えて、弾を放つ。しかしバレットのスチームソーが弾を弾くと、瞬時に、シャルロッテの眼前に迫り来る。その威圧感は尋常ではない。

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「貴方を尊敬していました!・・・何故こんな」
「何度も死地を経験して悟ったのよ・・・!!最後に信じられるのは自分自身と金だけだってな!・・・今回入の作戦に加わった軍人達は全員事故死・・・お前らを消せば、反政府勢力から、たんまりと金を貰えるのよ!」

 バレットは豹変していた。己の体と心が傷つき・・・。代わりに得た鎧と兜は、人間の心を失わせ、破壊者へと成り下がっていた。そこに、高潔な軍人の姿はなかった。
 それを悟ったシャルロッテは、すかさず、バレットの足を狙い、蹴り払う。シャルロッテは思い出していた。負傷兵の肉体強化の為に造られた鎧があると。それは、強大な力と引き換えに、戦闘への恐怖心、人の尊厳を失っていく、恐るべき兵器だということを。・・・バレットを包んでいる鎧が・・・恐らくそれだ。

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「やるな・・・!」
「軍曹・・・貴方はその鎧と兜に囚われている・・・!あたしが救います!貴方は・・・仲間を誰よりも思う高潔な軍人だ!」
「小娘が・・・何を言ってやがる!!」








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「貴様に分かるのか!救いたくても救えぬ兵士達が死んでいき・・・己が狂っていく様を!・・・俺はこの鎧を手にいれ、全てを悟ったのだ。恐怖も苦しみも無い!自分の為だけに生きていくんだよ!」

「それでも・・・その鎧は・・・あたしが壊す!貴方の誇りの為にも!!」
「・・・・・・・・・やってみろぉ!!!」








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 二人の銃口は、互いに向けられていた。反応速度は互角だった。








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「仲間など要らぬ!力は己自身の戦闘力で決まるんだ!!」


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「違う・・・!本当の力は・・・仲間と共に生み出すものなんだ!!」

 シャルロッテの脳裏には・・・淀川・・・・凪橋・・・人造天使・・・・・・仲間達の顔が浮かんだ。その時、自身の体が軽くなった気がした。二人は再度、銃口を向けあった。














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「うおおお!!」
「うおおお!!」


 二つの銃声が、薄暗い通路に響いた。二つの薬莢が、床に落ち・・・乾いた音がした。



















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 その刹那・・・地には、バレットが座り込んでいた。体からは血が流れていた。シャルロッテの放った銃弾が、勝負を決めたのであった。しかし、シャルロッテの顔は浮かなかった。それは、敬愛する相手に勝利したことへの戸惑いではなく、決着の瞬間、バレットの動きが一瞬止まったことであった。


「バレット軍曹・・・貴方は・・・・・・最後の最後で、鎧の魔力に打ち勝ったのでは・・・」
「・・・は・・・・・・ふん、てめえの銃さばきが早かっただけだ・・・・・・」

 しかし、シャルロッテは確信していた。バレットは最後の最後で・・・自らの忌まわしき鎧の力に勝ち、自らの意思で、引き金を引くのを遅らせたのだと。彼は、最後で、軍人としての矜持を取り戻し、罪を受けるため、甘んじて弾を受けたのではないか・・・。










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「くだら・・・ねぇ・・・さっさと行かねぇか・・・他にいくところがあるんだろ・・・」
「軍曹・・・・・・・・・失礼します・・・・・・・・・」

 シャルロッテは、涙目にその場を立ち去った。領主を探して、止めなければ。今は、軍人としてではなく・・・自らを拾ってくれた淀川の力になりたい。シャルロッテは、敬愛する一人の軍人を失った。しかし、同時に・・・一回り大きくなったのである。











「・・・・・・仲間か・・・・・・・・・ふん」











 少し逞しくなった、女性兵士の背中を見つめながら、バレットは小さく呟いた。










━━━━━━━

ラスティパペット大活躍回四連続でした!
さあ、物語は最終回へと近づきました!
最後まで、お付き合いください!

写真に写ってはいても、出番がない方は、今後もしっかり出番を作っていきたいと思います。

第2回スチームパンク武装撮影会 第16話『傀儡-操-』

『注意』
この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
ストーリーになっており、フィクションの内容となっております。ご了承ください。
写真撮影は(
ザン・ウー様)(しめ鯖様)(せーゆ様)にして頂きました。ありがとうございます。
※一部ツイッター上の物も使わせていただきます。

前回のお話

━━地下室━━━



 領主を探し回ったモリブデンだったが、気になる場所を見つけた。薄暗い地下へと続く階段の先に、異様な雰囲気の扉を見つけたのだ。
 人の気配を感じない扉を警戒をしながら少しずつ開いていく。
 モリブデンが、その部屋に入った時、不思議な空気を瞬時に感じ取った。それは獣人ゆえの鋭い感覚なのか、それとも、人ではない者の力を感じ取ったからか。





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 冷たい金属の扉の先には、黒いコートに身を包んだ男が腰かけていた。男は身動ぎせずに口を開いた。

「ヤァ・・・お客サンかネ?」
「・・・あ、貴方は?」

 薄暗い部屋全体には無数の計器や機械が、壁を這うように敷き詰められている。まるで何かの実験室のようであった。椅子に座る大柄の男の腕には、可憐な少女の人形が、同じように腰かけていた。
  ただの人形のようだが・・・その瞳は不思議な耀きを持っていた。

 「ワタシはBD。・・・本名はバルツァー=ディートハルト・・・ま、BDでいいヨ。・・・この屋敷に召し抱えられている呪術人形使いだヨ」
「じゅじゅ・・・?」




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 聞き慣れない言葉にモリブデンは困惑したが、BDから殺気や闘志のようなものは感じられず、警戒は解いていた。椅子の機械音を鳴らしながら、身を乗り出すBDは堪えるように言葉を続けた。

「しかシ、ここの領主も嬉しいプレゼントをくれるネ」

  口元は大きな仮面に覆われており、表情を窺うことはできないが、その声は歓喜に満ち溢れていた。モリブデンは言い知れない嫌なモノを直感的に感じ取った。








 「鮮度の良い獣人はナカナカ手に入らないからねェ」

 その刹那、BDから強烈な殺気と死臭が放たれる。BDのモリブデンに向ける視線は、同じ生き物に対してのものではなかった。実験動物、家畜といったものに対する目であった。
 モリブデンが反射的に銃を構え、銃口を向けようとした。







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 ガキンッ

 しかし、銃身に強い力が加わる。気づけば、BDの腕にいた人形が動き出し、腕に備えたスピアーでモリブデンの銃を押さえ付けていた。

「なっ・・・!」
「このコは、Bd3 式自動呪術人形プロトタイプ・セレニア・・・つまり私の愛しい娘だヨ」
「あ、貴方は一体何者なんですか・・・!」
 






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「サキホドもいったように、ただの呪術人形遣いだヨ。ココデ、死者の魂を用いての呪術人形を作っているんだよ」
「何・・・!?」



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「この娘は、降霊術を用いて、魂を宿しているンだよ・・・まだカンペキじゃないケドネ・・・。君のような獣人の魂ならば、さゾ、強い力を持つ呪術人形がツクレそうだヨ」

 狂気に染まったBDの熱弁に、モリブデンは動揺を隠せなかったが、距離をとりながら考える。あの人形は見た目よりもスピードもパワーも兼ね備えている。

「君ならあの、CARDのヘビ女よりも、きっとイイ実験台になってくれるヨ」

 モリブデンはその言葉に目を見開いた。








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「ヘビ女って・・・まさかあの?」
「オヤ知っているのかイ?あのヘビ女は、チュウトハンパな獣人でネ。使い物にナラないので、精神安定剤と称して、私の麻薬を注入してアゲたのだヨ。力と引き換えに、正気を失っていク、ステキな薬だよ」

 モリブデンは目を細める。心の中で怒りがこみあげてくるが、心は意外と・・・落ち着いていた。彼女から溢れていた毒気、狂気が天性のものではないと感じていたが・・・。

「あイツは確かドコカの見世物小屋で拾ったハズだ・・・良い呪術人形の魂になるかと思ったんダケドね・・・だめだネ、弱り切った魂ジャ、ツカイモノにならない。私の麻薬で、番犬くらいにハなったンダロウけどね・・・」






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「許さないぞ・・・お前は・・・人の命を何だと思っているんだ・・・!!」

 再び銃口を構えたモリブデン。こんなヤツの為にあの獣人の娘は・・・マチルダさんは・・・そして、ヒヨコは・・・!銃を突きつけられた、BDは大きく息をつき応えた。
















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「他人の命・・・?キマッテルダロ、私の可愛い人形の、生け贄ダヨ!!」

 













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 再び、人形が動き出し、槍を構えた。モリブデンの心は揺れた。この人形にも、誰かの魂が入っているのか・・・?そう思えば、自然と銃を握る力が抜けていく。僕が憎いのは、この人形の女の娘じゃない。この奥にいる、命を弄ぶ奴だ!


 その時、人形・・・セレニアは、僅かに、その可憐な表情をモリブデンに向けた。










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「え・・・?」

 ゆっくりと槍を引くセレニア。モリブデンも自然と腕が止まっていた。そして、セレニアは静かにモリブデンに微笑んだ。微笑むはずはないのだ。BDからは、セレニアの顔は見えない。

しかし・・・確かにその瞬間だけは、セレニアはモリブデンに微笑んだ。


「君、優シインダネ・・・・・・アリガトウ」



 モリブデンの耳には、確かに聞こえたのだ。
 そしてその直後、セレニアは動きを止めた。













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 「ソソンナ!馬鹿ナ!な、何故動かなイ!?何故ダァーッ!!!!セレニアちゃーーーん!!」

 予想外の出来事にBDは叫び声を上げる。主人に従わぬ人形にBDは悲しさと怒りの混ざり合った表情を浮かべた。モリブデンはセレニアを見つめ、小さく笑んだ。そして、強い瞳でBDを睨み付けた。









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「もうお前の負けだ・・・諦めろ」
「ヒィッ・・・命ダケハ・・・タ、タスケテクレーッ!」




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「領主はどこにいるんだ・・・!」
「ヤヤツラハ・・・コノマウエノ部屋にいルヨ・・・!ほ、本当だ・・・。ダカラ命はたすけテ・・・」

 必死に命乞いをするBDに、モリブデンは更に銃口を突きつけた。


「そんなに大切な命を・・・・・・お前は弄んでいるんだ・・・!罪を償え!」
「ヒィィィィィィ」

 モリブデンは・・・BDの顔に照準を合わせ・・・引き金を引いた。






ドンッ















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 勢い良く放たれた弾は、BDの顔のすぐ横を掠め、後ろの計器を破壊した。
 BDはマスクから泡を吹き、気を失った。













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「これでいいんだよね・・・」


 モリブデンは、気絶したBDの傍に転がるセレニアの表情を見た。
 セレニアの顔は・・・笑っているように見えた。















━━━━━━━

 まだまだラスティパペット活躍回が続きます!(?)
 お楽しみに!

写真に写ってはいても、出番がない方は、今後もしっかり出番を作っていきたいと思います。

第2回スチームパンク武装撮影会 第15話『傀儡-梟-』

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この記事は、第2回武装スチームパンク撮影会の記事です。
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前回のお話

━━領主の館・広間━━━

  ゴットヘルフは、ヒヨコとマチルダの亡骸を広間の隅へ運んだ。二人の表情は穏やかだった。しかし、それを見下ろす老人の表情は曇っていた。悲しみに塗れた口から言葉が漏れる。

 「儂は、何の為に戦っておったんじゃったかのう」

  ヒヨコの傍らに腰を落とすと、消え入りそうな声で呟いた。領主を探しに行ったモリブデンを見送り、静まり返った広間に、空虚な時間が流れた。 自らの過去の罪に苦しめられ、孫を失い。自らの・・・そう、戦ってきた生き様に意味はあったのか。床に転がっていた銃を手に取り、銃口を自らに向けた。 最強の傭兵が、自ら命を断つのか・・・。

「このまま、皆がいるところに逝くのも悪くないかの・・・」

 ゴットヘルフは、銃の引き金に指をかけ、大きくため息をついた。












「・・・まさかあの”バーグラー”が、人の死にそこまで感傷的だったとはな・・・」









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 静寂に投じるように言葉が響いた方向に目を向けると、そこには航空士の装いの黒い仮面の男がいた。気配を全く感じさせなかった男に、ゴットヘルフは反射的に銃を構えた。 一筋の汗が頬をつたう。



 こいつは、強い。




「お前さんは誰じゃ」
「その質問は我々の世界では、無意味なはずだが?」








 ゴットヘルフはそんな事は承知していた。しかし、相手の返答の声質で、性別・年齢・体力の状態を把握することはできる。・・・年齢は若くはないが、壮年とまではまだいかない。落ち着きがある声のトーン。気配の消し方といいおそらくは、隠密が得意な、破壊工作員、暗殺者か。自分が狙いならわざわざ声をかけるはずもない。音も無く殺しにくるはずだ。屋敷の破壊でも同様であろう。手を下さずにこのまま戦いが続けば、ここの館はもう落ちる。標的は建物でもない。



つまり



 「お前さんは誰かを探しにここにきたのかな?」





 「これは驚いた」

 少しの間のあと、男は小さく呟いた。同時に両手から刃物を取り出し、駆け出した。



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 「目当ての男はいなかったが・・・お前の首は、良い土産になりそうだ!」

 迫り来る男に、対して、即座に柱に身を隠すゴットヘルフ。先程の戦いでのダメージもあった。長期戦は不利だ。一撃で決めねば。素早く弾を装填するが、相手の男はすぐ傍まで迫っていた。




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「お前さんのような男が、目的以外の事をするとはな」
「弱っている強者を殺す。これが合理的でないと?」

 不必要な問答をするが、二人の距離は間違いなく縮まっていく。
 あと少しという時、ゴットヘルフは柱から飛び出し、銃を構え、引き金を引く。






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「悪いが、お前さんの相手をしている場合じゃないんじゃよ!」

 発射された、弾は確実に男を捕らえた・・・はずだった。しかし、実際には弾が当たらず、ゴットヘルフの眼前へと刃が迫る。咄嗟に杖を手に取り、前面に構えた。それと同時に、刃が杖を挟み込む。


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「ここまでだな、”バーグラー”・・・!!」
「・・・・・・一つ教えておいてやろう・・・・・・・・・歴戦の爺を甘くみないことじゃ!」








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ガコン!



 杖は突然、三つの節に分かれ、男の刃を押し返す。



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「!!・・・死ね・・・ッ!!」

 距離を取った男は、再び殺意とともに刃を繰り出す。
 しかし、ゴットヘルフの目つきは、さきほどのものとは豹変していた。それは、戦いに疲れ、老いさばらえた哀れな男ではなく、戦いに活路を見出した、戦士の瞳だ。





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ガシッ!


「!!」

杖で男の手首を挟みこむと、そのまま渾身の力を加える。男から刃物が落ちるのを確認すると、懐から小銃を握り締め、銃口を向ける。その動きに一切の無駄も、躊躇もない。ゴットヘルフには、戦いへの迷いは消えた。消えていった者達の為にも、絶対に負けられないのだ。負けるわけには・・・いかない!



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ダンッ!

 男は寸でのところで弾を避けた。バーグラーの凄まじさに、男も即座に刃物を横払いにする。本気でやらねば、この老人に殺される。



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「ええいっ!!死ね!爺!!」

 闇に閃く白刃を避けると、ゴットヘルフは床へと転がる。
 気づけば、手には先ほどの銃が握られていた。
 ここで死ぬわけにはいかない。














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「・・・・・・うおおおおっ!!」


 咆哮と共に、銃口の引き金を引く。
 引き金は軽かった。まるで、二人の力で引いているような・・・。












「世話が焼ける爺さんだぜ・・・全くよ」














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 薬莢がはじき出され、同時に飛び出した銃弾は間違いなく、男の肩を貫いた。致命傷ではないが、軽い傷でもない。男はよろめき、その場から立ち去ろうとする。ゴットヘルフは追う気にはならなかった。勝負は既についていたからだ。

「・・・流石は伝説の傭兵。・・・・・・・・・次は殺す」

 マスクの奥から、痛みを堪える声が響き、男は暗闇へと消えていく。


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「すまんな・・・ヒヨコ・・・やはり・・・儂はもう少しやらねばならぬようじゃ・・・

 ゆっくりと立ち上がると、全身に痛みが走る。しかし、ここで他の連中を待つわけにもいかない。自らの手で、決着をつけなくてはならない。ゴットヘルフは、少しずつだが、確実に前へと進んだ。領主の部屋を目指し・・・・・・全てを終わらせる為に。

━━領主の間━━━



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「ブラザー様。このままでは危うございます。・・・あの御方の力をお借りしては・・・?」
「ん・・・・・・そうか、あの人形遣いか!そうだ、その手があったわ!」

 シトリーの甘い言葉に、ビッグブラザーの目は見開く。この屋敷には長年仕えている魔術師がいた。ヤツの力を借りれば・・・!
 屋敷の薄暗い地下から、怪しげな笑い声が響いてくるようであった。



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 まだまだラスティパペット活躍回が続きます!(?)
 お楽しみに!

写真に写ってはいても、出番がない方は、今後もしっかり出番を作っていきたいと思います。